ゼクス・マーキス

ゼクス・マーキス：仮面の裏に隠された高潔な魂

ゼクス・マーキス、本名ミリアルド・ピースクラフトは、アニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する複雑な背景を持つ人物です。彼は、完全平和主義を掲げるサンクキングダムの王子として生を受けましたが、その王国は地球圏統一連合によって滅ぼされます。祖国を失ったミリアルドは、復讐を誓い、仮面を被り「ゼクス・マーキス」として連合に身を投じることになります。

二つの顔を持つ男

ゼクスは、OZ（Organization of Zodiac）という秘密組織で頭角を現し、「閃光の男爵」や「閃光の伯爵」として恐れられるパイロットへと成長します。しかし、その心には常に故国への想いと、平和への願いが秘められていました。彼は、妹であるリリーナ・ドーリアンとの再会を通じて、自らの生き方を見つめ直していきます。

ライバルとの邂逅と成長

ゼクスは、主人公ヒイロ・ユイをはじめとするガンダムパイロットたちと幾度も激突します。初期には、機体性能で劣るリーオーを駆りながらも、ガンダムを圧倒するほどの操縦技術を見せつけました。後にトールギスを乗りこなし、その性能を極限まで引き出すことで、自身の能力の高さを証明します。ヒイロとは、敵対しながらも互いを認め合うライバルとして、物語が進むにつれて、ゼクスは戦士としてのあり方に疑問を抱き、葛藤を深めていきます。

戦略家としての才能

ゼクスは、単独行動を旨とするゲリラ的なガンダムパイロットとは異なり、正規の軍事訓練を受けた士官です。そのため、戦局全体を見渡す戦略眼に優れており、小説版『Endless Waltz』では、その洞察力によって敵の陰謀をいち早く見抜くことができました。

人間関係

ゼクスは、部下に対しては明朗で気さくな一面を見せることもあり、OZ内には彼を慕う者も少なくありませんでした。士官学校の同期であるルクレツィア・ノインとは、恋人とも友情ともつかない微妙な関係を築きます。ノインは、ゼクスの理想と現実の狭間で苦悩する姿を間近で見つめ、葛藤しながらも彼を支えようとします。最終的に二人は和解し、戦いを終えた後は、共に火星のテラフォーミング事業に携わることになります。

劇中での活躍

『新機動戦記ガンダムW』本編では、OZの部隊長として、ウイングガンダムの迎撃に活躍します。しかし、物語が進むにつれて、自らの正義とOZの目的との矛盾に苦悩し、組織を離反します。その後は、サンクキングダムの親善大使ミリアルド・ピースクラフトとして、コロニーに和平を訴えますが、時代の流れを変えることはできませんでした。最終決戦では、ウイングガンダムゼロに乗るヒイロと激突し、リーブラの崩壊と共に消息を絶ちます。

『Endless Waltz』では、「プリベンター・ウインド」として再び姿を現し、マリーメイア軍との戦いに身を投じます。トレーズの遺産であるトールギスIIIを駆り、ノインと共に戦場を駆け抜け、反乱終結後は、共に火星へと旅立っていきます。

搭乗機体

ゼクス・マーキスは、数々のモビルスーツに搭乗してきました。

OZ-00MS トールギス
OZ-00MS2B トールギスIII
OZ-13MS ガンダムエピオン
XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ

これらの機体は、彼の卓越した操縦技術によって、その性能を最大限に発揮されました。

まとめ

ゼクス・マーキスは、その複雑な生い立ちと葛藤、そして高潔な精神によって、多くのファンを魅了してきました。彼は、単なる敵役ではなく、主人公ヒイロ・ユイと並び立つ、もう一人の主人公と言えるでしょう。彼の存在は、『新機動戦記ガンダムW』という作品を、より深く、より感動的なものにしています。

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