ゼット (企業)

ゼット株式会社：日本のスポーツを支える老舗企業

ゼット株式会社は、1920年、渡辺梁三氏によって大阪府大阪市で創業された歴史あるスポーツ用品メーカーです。当初は袋物や鞄の製造卸売を手掛けていましたが、創業者の子息である渡辺真良氏が事業を継承後、戦後のスポーツ用品需要の高まりを受け、野球用品を中心に事業を展開。1950年には法人組織「渡辺運動用品株式会社」を設立しました。

その後、1967年に「渡辺株式会社」、1980年には現在の「ゼット株式会社」へと社名変更。長年にわたり、野球用グローブ、バット、スパイクシューズなど高品質な製品を提供し、日本のプロ野球や高校野球の発展に大きく貢献してきました。現在では、野球・ソフトボール用品は関連子会社であるゼットクリエイト株式会社が製造を担当しています。

ゼット株式会社は、野球用品以外にも事業を多角化。独フットウェアブランド『Zeha（ツェハ）』の国内販売権を取得するなど、幅広い製品を取り扱っています。さらに、物流子会社や登山・アウトドア用品を扱う小売部門も展開し、総合的なスポーツ用品企業として確固たる地位を築いています。かつてはスポーツ施設「健爽美館」も運営していましたが、平成21年12月に閉館しています。

2008年には、フェニックス社から『カーツ』『4DM』『REMOsystem』の3ブランドを譲り受け、スポーツ用品事業をさらに強化しました。また、完全子会社として設立したゼノア株式会社を2019年に吸収合併し、社内統合を進めています。

社名である『ZETT』は、アルファベットの最後の文字である『Z』が持つ、「不退転の意志」「最高」「最新」といった意味合いと、日露戦争時の「Z旗」に象徴される臨戦態勢を反映したものです。常に危機感を持って事業に取り組む姿勢が、企業理念に込められています。

近年は、企業理念である「スポチュニティ」（スポーツを通じて地域社会に喜びと健康やふれあいの機会を提供し、調和をもたらす）を基に、積極的に社会貢献活動に取り組んでいます。2021年には、“社会に新しい価値を創造するスポーツ＆ライフスタイル企業”というビジョンを掲げ、SDGsの目標達成やESG経営の推進による持続的な企業価値の向上を目指しています。2020年には創業100周年を迎えました。

数多くのプロ野球選手と契約

ゼット株式会社は、多くのプロ野球選手とスポンサー契約を結び、製品開発やマーケティング活動に活かしています。契約選手には、今宮健太選手、千賀滉大選手、源田壮亮選手など、多くのスター選手が名を連ねています。また、吉田義男氏、里崎智也氏、赤星憲広氏など、野球界のレジェンドたちがアドバイザースタッフとして活躍しています。

印象的なCM展開

ゼット株式会社は、これまで数々の印象的なCMを制作・放送してきました。2003年に放送された「もっとうまくなりたい。」篇は、古田敦也氏や野球少年を起用し、日本の野球少年たちに大きなエールを送るCMとして評判を呼びました。他にも、『新・巨人の星』のスポンサーを務めた際、張本勲選手や河埜和正選手が出演したCMが話題となりました。

近年は、野球の各ポジションに特化したCMシリーズを展開。各ポジションの細かい動作をテーマにしたCMと連動した「原寸POSITION」ブックは、2008年に大阪コピーライターズ・クラブ賞を受賞するなど高い評価を得ています。

今後もゼット株式会社は、革新的な製品開発と積極的な社会貢献活動を通じて、日本のスポーツ界をさらに盛り上げ、持続可能な社会の実現に貢献していくでしょう。

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