ゼビウス3D/G

ゼビウス3D/G

『ゼビウス3D/G』（ゼビウススリーディージー、XEVIOUS 3D/G）は、1996年5月にナムコ（後のバンダイナムコアミューズメント）よりリリースされたアーケード向けシューティングゲーム作品。『ゼビウス』シリーズの流れを汲むタイトルでありながら、従来のシリーズ作からゲームシステムやゲーム性を大幅に変更した意欲作として知られます。

ゲーム概要

基本的なゲーム進行は、上空の敵には対空ショット、地上の敵には対地ショットを使い分けながら進み、各エリアの最後に待ち受けるボスキャラクターを撃破することでステージクリアとなる、全7エリア構成の縦スクロールシューティングです。

本作における大きな変更点の一つが、対地攻撃であるブラスターの仕様です。初代『ゼビウス』では一発で地上の構造物をまとめて破壊できましたが、本作では仕様が大きく異なり、連射が可能になったほか、照準が合えば移動する地上物も自動でロックオンして追尾するようになりました。しかし、敵をまとめて破壊することはできなくなっています。また、装備によっては照準が表示されず、射程距離の制限がないタイプも存在します。

対空ショットには3種類の異なる性質を持つウェポンが存在し、従来の『ゼビウス』とは一線を画すゲーム性を生み出しています。これらのウェポンは地上物である「ポラドーム」を破壊することで出現するアイテムとして獲得でき、現在装備しているものと同じ色のアイテムを取ることで2段階までパワーアップします。自機自体のパワーアップによる爽快感は控えめと評されることもありますが、敵の猛烈な弾幕を巧みに回避する瞬間のスリルと達成感に焦点を当てたゲームデザインとなっています。ゲームの攻略においては、これらのウェポンアイテムをいかに効果的に活用するかが重要な要素となります。

アイテム

ゲーム中に登場するアイテムは、前述の通り地上物「ポラドーム」を破壊すると出現します。アイテムの色は現在の装備を示しており、同色のアイテムを取得することでパワーアップします。

青（ディオス）: 初期装備です。パワーアップするとザッパーの数が増え、より広範囲に扇状にザッパーを発射できるようになります。威力よりも攻撃範囲を重視した装備ですが、耐久力の高い敵に接近して連射すれば高いダメージを与えられます。
緑（ゲルマック）: 緑色のレーザーを発射する装備です。パワーアップすると威力が向上します。ボスや大型機など、耐久力の高い敵を素早く撃破するのに有効です。
赤（ドークト）: このアイテムのみ、対地装備も同時に変化します。敵を自動的にサーチして攻撃するホーミングレーザーを発射する装備で、空中向けの赤色のレーザーと地上向けの黄色のレーザーを使い分けます。パワーアップするとサーチレーザーの本数が増加します。対空ショットボタンで空中の敵に、対地ショットボタンで地上の敵に攻撃を行いますが、両ボタンを同時押しすることで対空・対地への同時攻撃も可能です。ただし、同時攻撃時はレーザーが分散されるため、単独攻撃時と比較して攻撃力は低下します。

敵キャラクター

本作には、シリーズでおなじみの敵に加え、多数のオリジナルキャラクターが登場します。これらのオリジナル敵には、地球軍による「コードネーム」の設定はありません。

主なザコキャラクター（オリジナル）

空中敵: ウォーブリア、セラビサイト、エスカリオ、カピ・ネーリオ（初代のカピの亜種で、画面内に留まり弾を発射する）、マーフィキュード、セッジオ、ゼラスト、ドルシーク（後部にウイングを持つ耐久力の高い敵）、フィラステータ（回転しながらレーザーを発射）、サイス（破壊不能なレーザー攻撃）。
地上敵: リトス、ドムリトス（ログラムやドモグラムに似た地上物で扇状のバリアを形成）、アストヴァポア（ソルに似た塔状の地上物で高速の弾を発射）、リテラロイド、エネフロッサー、ディバリド、ガル・ディバリド（地中から出現する固定砲台）、ヴェルザ（水上を移動する地上物）、オルソル（隠しキャラ出現の鍵となる赤いソル）。

ボスキャラクター

各エリアの最後には強力なボスが登場します。ガウルクドーラ（エリア1）、イーリアザーナイド（エリア2）、クォーザーダ（エリア3）、サークザーバイア（エリア4）、ギャリアジード（エリア5）、オーラレイア（エリア6）、そして最終ボスであるガンプ（エリア7）が存在します。

移植版

1997年3月28日には、本作を収録したプレイステーション用ソフト『ゼビウス3D/G+』が発売されました。このバージョンには、アーケード版『ゼビウス3D/G』に加え、オリジナル版『ゼビウス』、『スーパーゼビウス』、そしてアーケードゲーム『ナムコクラシックコレクション Vol.1』に収録されていた『ゼビウス・アレンジメント』の計4作品が収録されています。

プレイステーション版の『3D/G』と『アレンジメント』には、新たにアレンジされたBGMが追加されており、オプションでアーケード版のBGMと切り替えることが可能です。また、エンディングを含むデモムービーは、プレイステーション向けに新規に制作されたもので、アーケード版とは内容が異なります。そのため、アーケード版のエンディングBGMは収録されていません。プレイステーション実機での動作においては、アーケード版と比べて一部で処理落ちが見られる箇所もありましたが、PlayStation 2での動作はスムーズでした（同時期のナムコミュージアム版『ゼビウス』がPS2で重くなる不具合があったのとは対照的です）。

備考

本作の特筆すべき隠し要素として、ゲームスタート時に特定のコマンドを入力することで、対戦格闘ゲーム『鉄拳』シリーズのキャラクターである三島平八やポール・フェニックスを自機として使用できる機能があります。これはアーケード版、移植版のどちらでも有効です。しかし、これらの隠し自機はゲームバランスが極めて考慮されていないピーキーな性能となっています。例えば、平八は移動速度が非常に遅く、特に浮き沈みする地形のエリア7では回避が困難になるほどです。一方、ポールはシューティングゲーム史上で記録的な最高速度（秒間360ドット）を誇りますが、これも通常プレイには適さないほど速すぎます。当時のゲーム雑誌『ゲーメスト』でも、「お金を払ってまで使う価値はない」と評されるほどでした。通常、隠し自機はスコア稼ぎに有利だったり、何らかの優れた能力を持っていたりすることが多い中で、このようにゲームやスコアに全く有利にならないどころか、むしろ難易度を上げるだけの隠し自機は非常に珍しい事例と言えます。


関連タイトル
ゼビウス
スーパーゼビウス
ゼビウス・アレンジメント
* 鉄拳シリーズ

※本記事はゲームソフト『ゼビウス3D/G』に関する一般的な情報に基づいて記述されています。サービスやプラットフォームの状況については変動する場合があります。

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