ゼブジドフスキの反乱

ゼブジドフスキの反乱 (1606年-1609年)

ゼブジドフスキの反乱、またはサンドミェシュの反乱は、ポーランド・リトアニア共和国で国王ジグムント3世に対して起こされた貴族（シュラフタ）による反乱です。ミコワイ・ゼブジドフスキ、ヤン・シチェンスニィ・ヘルブルトらが中心となり、1606年8月6日にステンジツァとルブリンで結成されました。

背景

反乱の背景には、国王ジグムント3世が、共和国議会下院（セイム）を通じて強大な権力を持つ貴族階級の力を制限し、選挙王制から世襲王制への移行を試みたことがあります。これに対し、特権を脅かされると考えた貴族たちの不満が高まり、反乱へと発展しました。

反乱の経過

反乱を起こした貴族たちは政治連盟を結成し、国王に対する要求を67の条項としてまとめました。その内容は、ジグムント3世がヘンリク条項に違反したとして退位を要求し、国王に取り入るイエズス会を共和国から追放すること、国家官職の任命権を国王からセイムに移譲すること、地方官職を中央任命ではなく地域選挙で選出すること、そしてプロテスタントの権利拡大と保護など多岐に渡りました。

1607年、セイムはこれらの要求を拒否。これに対し、反乱軍はマゾフシェ地方のグズフに集結しました。政府軍はリトアニア大ヘトマンであり、キルホルムの戦いの英雄であるヤン・カロル・ホトキェヴィチに率いられ、反乱鎮圧に向かいました。政府軍には、王冠領大ヘトマンのスタニスワフ・ジュウキェフスキも総大将として派遣されました。同年7月5日（または6日）にグズフの戦いが発生し、約200人の戦死者を出す激戦となりましたが、最終的には政府軍が勝利しました。

1609年までに反乱は完全に鎮圧され、内戦から2年後のセイムで、反乱を起こした貴族たちは国王に降伏しました。降伏した貴族たちは特赦を受けましたが、ホトキェヴィチら国王派の貴族は恩赦に反対しました。

反乱の影響

反乱は鎮圧されたものの、国王を完全に打ち倒すことはできませんでした。しかし、この反乱は、貴族階級が王権を抑制する貴族共和国体制を確立する上で重要な出来事となりました。反乱後、ジグムント3世は貴族たちのエネルギーを対外戦争に向けるようになります。特にモスクワ・ロシアへの政治介入は、ドミトリー計画からロシア・ポーランド戦争へと発展しました。

関連項目

ロコシュ
鶏戦争
ルボミルスキの反乱
ニヒル・ノヴィ
政治連盟

参考文献

Halecki, O. A History of Poland. London: Routledge & Kegan Paul, 1978.
* Kate Wilson, The jewel of liberty stolen?: The Rokosz of Sandomierz and Polish Dissent, paper at GRADUATE CONFERENCE IN CENTRAL EUROPEAN STUDIES, The Contours of Legitimacy in Central Europe, OxfordPDF

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