ゼロスの戦争ゲーム

『ゼロスの戦争ゲーム』

『ゼロスの戦争ゲーム』は、イギリスの作家エドマンド・クーパーがリチャード・エイヴァリー名義で発表したSF小説で、コンラッド消耗部隊シリーズの第3作目にあたります。この物語は、無人探査機が人類の生存に適した新たな惑星を発見したところから始まります。探査機はフォーマルハウトに向かい、そこで発見した惑星の第5衛星「ゼロス」に、エクスペンダブルチームが派遣されます。

あらすじ

探査機の報告によると、ゼロスには知的生命体が放射線や電磁波を生成する痕跡が見られず、人類が生存できる環境が整っているとされていました。この報告を受けて、コンラッド司令官をはじめとするエクスペンダブルチームは、速やかに調査を開始することになります。興味深いことに、ゼロスの上空からの探査で、中世のヨーロッパに似た都市の建物群が視認されました。

チームが着陸し調査を始めると、彼らの前に現れたのは、まるでバイキングのような格好をした人類に似た生物たちでした。彼らは言語を持ち、文化を有する生命体であることが示唆され、チームは驚愕しました。そんな中、隊員の一人が行方不明になるという事態が発生し、調査は一層複雑さを増していきます。

登場人物

ジェームズ・コンラッド

チームの指揮を執る司令官で、これが3度目の調査派遣です。義眼を持ち、赤外線を感知する能力を持ちます。また、原子力駆動の義手を装備しており、強大なパワーを発揮できます。

インディラ・スミス

副司令官であり軍医を兼任。両足には原子力駆動の義足があり、高速で長時間の移動が可能です。

カート・クワンゴ

生態学者で、これも3度目の派遣。惑星の生態系に関する知識を持っています。

その他の隊員

• - ハル・ジョセフ・メンケン：技師・元犯罪者
• - ヒルデガード・ドルファス：生化学者・元犯罪者
• - ジャン・ピエール・ゴーチェ：兵器専門家・元犯罪者
• - ジェーン・ユスチノフ：海洋学者・元犯罪者

彼らは個々に専門知識を持つ反面、過去に問題を抱えていた人物ばかりです。

観察用のロボットも6機登場し、周辺警備や探査に活用されています。これらのロボットも、人類にとって不可欠なサポート役として機能します。

書誌情報

『ゼロスの戦争ゲーム』は1980年10月24日に初版が発行され、良質な翻訳で知られる石田善彦により日本語に訳されています。この作品は創元推理文庫SFの一環として刊行されており、続編として「クレイトスの巨大生物」「タンタロスの輪」「アルゴスの有毒世界」が存在しています。

本書は、人類の未知なる領域での冒険と発見が描かれており、SFファンにとって見逃せない一作です。

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