ゼロネットワークス

株式会社ゼロネットワークスは、日本の企業であり、コンビニエンスストアの店舗内に設置される現金自動預け払い機（ATM）の運営などを主な事業としていました。しかし、2017年に親会社であった株式会社ファミリーマートに吸収合併されたため、現在は法人としては消滅しています。

設立と事業の開始

ゼロネットワークスの事業は、地方銀行である大垣共立銀行との連携から始まりました。設立当初は、大垣共立銀行と共同で、東海地方を中心に展開していたコンビニエンスストアチェーン、サークルKおよびサンクス店舗に設置された「ゼロバンク」と称するATMの管理運営業務を担う企業として活動を開始しました。この「ゼロバンク」は、当初は岐阜県と愛知県のサークルK・サンクス店舗を中心に設置されました。

BankTime事業の展開

ゼロネットワークスの事業はその後拡大し、全国規模で展開する大手銀行、りそな銀行との連携も開始しました。これにより、サークルKおよびサンクス（後にファミリーマートにブランド転換）の店舗網を活用した新たなATMサービス「BankTime」の設置と運営も手掛けることになります。「BankTime」は、当初は主に関西地方での展開でしたが、次第に北海道から九州に至るまで、日本全国へとサービス提供地域を広げていきました。サークルKやサンクスが出店していなかった一部の地域を除く、ほぼ全国のこれらのコンビニエンスストア店舗に設置が進められました。

ファミリーマートへの吸収合併

会社としての転機は2017年3月1日に訪れます。この日、大手コンビニエンスストアチェーンである株式会社ファミリーマートは、ゼロネットワークスを吸収合併しました。ゼロネットワークスはファミリーマートの完全子会社であったため、これはグループ内での再編の一環と言えます。この合併により、ゼロネットワークスが担っていたATM事業、すなわち「ゼロバンク」および「BankTime」両ブランドの運営責任は、ファミリーマートが直接引き継ぐこととなりました。

運営していたATMブランド

ゼロネットワークスが運営に関与していた主要なATMブランドは以下の二つです。

ゼロバンク
大垣共立銀行と提携して展開されました。設立当初は中京圏や首都圏の一部でも展開されていましたが、後に設置場所は岐阜県と愛知県のサークルKおよびサンクス店舗に限定されるようになりました。しかし、2017年7月以降、設置されているATMは順次ゆうちょ銀行のATMに置き換えられることが決定し、この置き換え完了をもって「ゼロバンク」としてのサービスは終了の方向に向かっています。
BankTime
りそな銀行と提携して展開されました。当初は関西圏でスタートしましたが、その後、東海4県（岐阜・静岡・愛知・三重）を含む、サークルKやサンクスが当時出店していた地域を中心とした全国へと展開地域を拡大しました。2016年9月1日にサークルKサンクスがファミリーマートに社名変更し、店舗のブランド転換が進められた後も、「BankTime」ATMは引き続いて多くのファミリーマート店舗に設置されていました。しかし、こちらもゼロバンクと同様に、2018年5月17日付けのプレスリリースにおいて、2019年1月以降、順次ゆうちょ銀行のATMへの置き換えが進められることが発表されました。なお、「BankTime」に関しては、りそな銀行および埼玉りそな銀行によるプレスリリース内で、「りそな銀行のオリジナルブランドとして展開するATMサービス」であるとの言及がなされており、その位置づけには複雑な側面も存在します。

現在の状況

株式会社ゼロネットワークスは法人としては消滅しましたが、同社が培ってきたATM運営に関するノウハウや、金融機関との連携体制、そして設置済みのATMの一部はファミリーマートに引き継がれました。しかし、前述の通り、展開していた両ブランドのATMについては、ゆうちょ銀行ATMへの置き換えが進められており、その存在感は薄れつつあります。これは、ファミリーマートがATM事業戦略を再構築する中で、より提携先を一本化する方向へ転換していることを示唆していると考えられます。

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