ソウルエッジ

『ソウルエッジ』：武器格闘ゲームの金字塔

1996年、ナムコ（現バンダイナムコエンターテインメント）はアーケードゲームとして、3D武器格闘アクションゲーム『ソウルエッジ』を世に送り出しました。本作は、伝説の魔剣「ソウルエッジ」を巡る10人の戦士たちの戦いを描いた作品であり、後にシリーズ化される『ソウルシリーズ』の記念すべき第一作目です。

多彩なプラットフォームとバージョン

アーケード版は、システム11基板を用いて1996年2月にバージョン1、同年6月にバージョン2が稼働開始されました。その後、1996年12月20日には、多くの要素を追加したプレイステーション版が発売。ナムコジョイスティック同梱の限定版も存在しました。さらに、1999年、2002年には、それぞれ「PlayStation the Best」、「PS one Books」として再発売されています。海外では『ソウルブレード』のタイトルで展開されました。

16世紀の世界を舞台にした壮絶な戦い

ゲームは、16世紀の世界各地を舞台に展開します。個性豊かな10人の戦士たちが、それぞれ異なる思惑を抱えながら、究極の武器「ソウルエッジ」を求めて争います。

革新的なゲームシステム

『ソウルエッジ』は、当時としては画期的なゲームシステムを採用していました。

武器を駆使した戦闘: 各キャラクターはそれぞれ固有の武器を装備しており、武器の長さや特性を活かした戦いが可能です。
シンプルな操作性: 基本操作は1レバーと4ボタン。ボタンはガード、縦斬り、横斬り、蹴りの4つで構成され、直感的な操作で戦闘を楽しめます。
ガードインパクト: タイミング良くガードすることで相手の攻撃をはじき返し、反撃に転じる「ガードインパクト」システムを搭載。
軸移動: 3D格闘ゲームとして初めて、手前と奥への軸移動を導入。レバー操作で攻撃を回避できます（家庭用を含めると『闘神伝』が初）。
鍔迫り合い: 武器同士がぶつかり合うと鍔迫り合いが発生し、ボタン連打による3すくみの駆け引きが展開されます。
武器ゲージとクリティカルエッジ: 攻撃をガードされると武器にダメージが蓄積。ゲージが満タンになると、強力な必殺技「クリティカルエッジ」を発動できます。ゲージが尽きると武器が弾き飛ばされ、素手での戦闘を強いられます。
読み合い重視の対戦: コンボは少なく、読み合いが重視される対戦システムとなっています（特にアーケード版初期バージョン）。
高精細なグラフィック: 当時の技術を駆使し、ポリゴン背景を採用するなど、高精細なグラフィックを実現しました。画面描画は30fpsですが、入力受付は60fpsで行われています。

プレイステーション版の追加要素

プレイステーション版では、アーケード版を大きく上回る要素が追加されました。

オープニングムービー: ソウルエッジの世界観を表現した、美しいオープニングムービーが追加されました。
エッジマスターモード: 世界各地を転戦し、様々な条件をクリアしながら武器を収集していくモード。キャラクターごとのエピソードが用意され、育成要素も兼ね備えています。
マルチエンディング: アーケードモードのエンディングが、ポリゴンによる動画に変更。プレイヤーの操作によってエンディングが変化します。
BGMの選択: アーケード版のBGMに加え、アレンジバージョンや、テーマソング「The Edge of Soul」を収録したKHAN SUPER SESSIONのBGMを選択可能。
追加衣装: 一般公募によるコスチュームデザインを採用。
その他: ゲームバランス調整、練習モード、隠しキャラクターの追加など、遊びやすさが向上。

高い評価を獲得したムービーとCG

『ソウルエッジ』のオープニングムービーやCGは、アートとしても高い評価を受け、数々の賞を受賞しました。

SIGGRAPH97 Electronic Theater入賞
平成9年度文化庁メディア芸術祭 デジタルアート部門大賞
* マルチメディアグランプリ CG部門エンターテインメント賞

『ソウルエッジ』は、革新的なシステムと美しいグラフィック、そして奥深いゲーム性で多くのゲーマーを魅了し、3D対戦格闘ゲームの歴史に大きな足跡を残しました。その影響は、後の『ソウルシリーズ』作品にも受け継がれ、現在も多くのファンに愛されています。

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