SIGGRAPH

SIGGRAPH（シーグラフ、Special Interest Group on Computer GRAPHics）は、アメリカコンピュータ学会（ACM）におけるコンピュータグラフィックス（CG）分野の分科会であり、同分科会が主催する国際会議・展覧会の通称です。1967年に分科会が創設され、1974年に第1回会議が開催されました。その後、2008年からはアジア地域でのSIGGRAPH ASIAも開催されるようになり、2015年からはオンラインでのビデオアート展も実施されています。

国際会議としてのSIGGRAPH

SIGGRAPHは毎年夏にアメリカで開催され、世界中の研究者が最新のCG技術に関する論文を発表しています。この会議で発表された技術は、多くの3DCGソフトウェアの開発に活かされており、業界の技術革新を牽引しています。例えば、Autodesk（Maya、3ds Maxなど）やNewTek（LightWave 3D）といった大手ソフトウェア会社が、自社製品の最新版をSIGGRAPHで発表することも少なくありません。

また、会議名に「Interactive Techniques」とあるように、インタラクティブな技術デモ展示であるEmerging Technologiesも大きな魅力の一つです。最先端技術を結集したデモは、参加者に未来のCG技術を体感する機会を提供します。

さらに、SIGGRAPHは映像コンテストの場としても知られています。ゲーム、映画、個人制作など、様々なCG映像が評価され、「世界最大かつ最高のCGの祭典」と称されています。コンテストは、Electronic TheaterとAnimation Theaterの2部門に分かれており、特にElectronic Theaterでは、高評価を得た作品が上映されます。これらの作品は、CG技術の可能性を示すだけでなく、芸術的な表現の新たな地平を切り開いています。

SIGGRAPHは、長年にわたり業界に貢献した研究者に対してクーンズ賞を授与しています。この賞はCG分野で最も権威のある賞であり、過去の受賞者には「CGの父」と呼ばれるアイバン・サザランド、ベジェ曲面の開発者であるピエール・ベジェ、Zバッファ法を開発したエドウィン・キャットマル、バンプマップ法を開発したジェームス・F・ブリン、ラジオシティ法を開発した西田友是など、CG技術の発展に大きく貢献した人物が名を連ねています。

イベント内容

SIGGRAPHでは、以下のような様々なイベントが開催されます。

Animation Theater、Electronic Theaterの入選作品の上映
CG関連の論文発表
最新CG映像のメイキング解説
CG教育機関による学生作品の展示
CG関連製品の展示
デジタル機器を組み込んだ服のファッションショー

イベント開始前には、参加者全員が楽しめるゲームが毎年企画されています。また、Sake Partyは、参加者の1人である河口洋一郎が自費で始めたものが後に公認となり、オープニングイベントとして定着しています。

関連項目

NICOGRAPH

外部リンク

ACM SIGGRAPH
SIGGRAPH MANIA
ACM SIGGRAPH2008レポート
ENHANCED VISION – DIGITAL VIDEO オンライン・アート・エキジビション
図書館にあるSIGGRAPHに関係する蔵書一覧 - WorldCatカタログ

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