ソウルブック

ロッド・スチュワート『ソウルブック』

『ソウルブック』（Soulbook）は、ロッド・スチュワートが2009年にリリースしたアルバムです。これは彼のキャリアにおける25作目のスタジオ録音アルバムであり、全曲がソウルミュージックの往年のヒット曲のカバーで構成されています。

制作の背景

このアルバムの大きな特徴は、豪華なゲストミュージシャンの参加です。スティーヴィー・ワンダーとスモーキー・ロビンソンという、収録曲のオリジナル・ヴァージョンを歌った本人たちが参加していることに加え、メアリー・J. ブライジとジェニファー・ハドソンもゲストとして参加しています。

さらに、レコーディング・メンバーの一人であるボブ・バビットは、モータウンで数々のヒット曲のレコーディングに参加した伝説的なバンド、ファンク・ブラザーズのメンバーでした。プロデュースは、スティーヴ・ジョーダンとスティーヴ・タイレルが曲ごとに担当しましたが、「ラヴ・トレイン」のみは、ジョーダン、タイレル、それにチャック・ケンティスの3人が共同でプロデュースしました。

イギリス盤、日本盤、そしてヨーロッパで発売された紙ジャケットCDには、ボーナス・トラックが収録されています。

ロッド・スチュワートのコメント

ロッド・スチュワート自身は、2009年当時のインタビューで「生涯をかけて録音を待っていたアルバムさ。夢が叶ったよ」と語り、このアルバムに深い思い入れがあることを示唆していました。しかし、2013年のインタビューでは、一転して本作について「あれは失敗だったよ、だってオリジナルに打ち勝つのは誰にも無理だからね。いまだに電波に乗っているオリジナルに勝てるわけがない」と振り返っています。この発言から、彼がこのアルバムに対して複雑な感情を抱いていることが伺えます。

反響

『ソウルブック』は、全英アルバムチャートで16週にわたってチャートインし、最高9位を記録しました。アメリカでは、Billboard 200で4位、『ビルボード』のデジタル・アルバム・チャートで14位を記録しています。スウェーデンのアルバム・チャートでは、19週連続でトップ50入りし、そのうち7週でトップ10入り、最高4位を記録するなど、ヨーロッパでも高い評価を得ました。

収録曲

1. セイム・オールド・ソング
2. マイ・シェリー・アモール（featuring スティーヴィー・ワンダー）
3. 誓い（デュエット・ウィズ・メアリー・J. ブライジ）
4. ハイヤー・アンド・ハイヤー
5. トラックス・オブ・マイ・ティアーズ（featuring スモーキー・ロビンソン）
6. 二人は恋人（デュエット・ウィズ・ジェニファー・ハドソン）
7. 雨のジョージア
8. ホワット・ビカムス・オブ・ザ・ブロークン・ハーテッド
9. ラヴ・トレイン
10. リアリー・ガッタ・ホールド・オン・ミー
11. ワンダフル・ワールド
12. 二人の絆
13. はかない想い

ボーナス・トラック

14. ネヴァー・ギヴ・ユー・アップ
15. オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ

参加ミュージシャン

ロッド・スチュワート - ボーカル
[スティーヴィー・ワンダー]] - [[ハーモニカ]
メアリー・J. ブライジ - ボーカル(on #3)
スモーキー・ロビンソン - ボーカル(on #5)
* ジェニファー・ハドソン - ボーカル(on #6)

(その他多数のミュージシャンが参加)

まとめ

『ソウルブック』は、ロッド・スチュワートが自身のルーツであるソウルミュージックに回帰した意欲作であり、豪華なゲスト陣の参加も話題となりました。しかし、彼自身が後に語ったように、オリジナルの楽曲を超えることの難しさも浮き彫りになった作品と言えるかもしれません。

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