ソウル軽電鉄新林線

ソウル軽電鉄新林線の概要

ソウル軽電鉄新林線（ソウルけいでんてつシンリムせん）は、大韓民国の首都ソウルに位置し、永登浦区のセッカン駅から冠岳区の冠岳山駅までを結ぶ軽電鉄路線です。この路線は南ソウル軽電鉄株式会社によって運営され、近代的な交通システムを提供するために設計されています。

開通と背景

この軽電鉄のプロジェクトは、ソウル市が道路の拡張が限界に達し、地下鉄の新設にかかる需要と財政面での課題を抱えている中で、公共交通の改善を目指して進められました。2016年12月の開通を目標に、収益型の民間資本事業として取り組まれました。

新林線の総事業費は7,422億ウォンに達し、延長距離は7.8km、駅数は10箇所、車両基地は1箇所が設けられています。この計画は、ソウル南部地域の交通問題を解決し、2号線、7号線、9号線、および国鉄との連携を通じて、ソウルの東、西、北部へと向かう交通ネットワークを構築する目的があります。また、環境に配慮した交通手段としても注目されています。

設備と運営方式

新林線は、無人自動運転による運行が特徴であり、全ての駅にはエレベーターやホームドアが設置されています。無人システムのため、駅務室や切符売り場は設けられず、便利な利用が可能です。具体的には、

• - 総延長：7.8km
• - 駅数：11駅（駅名は乗り換え駅を除き、現在は仮称）
• - 車両方式：完全無人自動運転
• - 総事業費：7,422億ウォン（基本計画基づく）
• - 着工日：2015年9月7日
• - 開通日：2022年5月28日
• - 施行方式：民間投資事業（BTO）

沿革

新林線の計画は2006年から始まり、2008年にソウル特別市の都市鉄道基本計画として承認されました。その後、様々な段階を経て2015年に起工式が行われ、2017年に本格的な工事が開始されました。最終的に、2022年5月に開業を迎えました。

車両と運行速度

新林線には、南ソウル軽電鉄SL000系という専用の車両が使用されており、全12編成が導入されています。車両は幅2.4m、高さ3.5m、長さ28.92mで、3両1編成の形態を採用しています。定員は158名で、最高運行速度は時速60kmに達します。この車両は、ゴム車輪を用いた完全自動運転方式を導入しており、安定した運行が可能です。

蘭谷線

新林線の支線である蘭谷線は、ボラメ公園駅から分岐し、新大方駅を経由する4.3kmのルートを持っています。当初設計された誘導高速車両の運行計画から、交通渋滞を考慮して新林線からの分岐案に修正されました。

今後の展望

新林線は収益型民間投資事業として位置付けられており、施設の運営権は完成と共にソウル市に移転します。その後、民間事業者が30年間にわたって運営を行うことが予定されています。

この新林線の開業は、ソウル南部の公共交通状況の改善だけでなく、都市全体の交通問題解決に貢献することでしょう。

もう一度検索