ソニー・マガジンズ

ソニー・マガジンズの歴史

ソニー・マガジンズは、日本の音楽出版業界に重要な影響を与えた出版社です。元々はCBS・ソニー出版として1972年に設立され、その後、音楽雑誌を中心に成長を遂げました。1989年、ソニーがCBSレコードを買収したことにより社名が変更され、音楽メディアの代表的存在となりました。

初期の発展

1974年には、音楽出版を専門とするエイプリル・ミュージックが設立され、1979年には「CBS・ソニー出版」としての正式なスタートを切りました。この時期の主力雑誌「ギターブックGB」は、フォーク・ギター講座やカラーグラビアを取り入れた斬新な内容で、広く支持を受けました。また、1983年に創刊された『CYCLE WORLD』は、バイク文化のブームを反映し、エイジレスな人気を持つメディアとして成長しました。

1984年に創刊された『PATi PATi』は、チェッカーズなどのアイドルバンドの特集を通じて読者を引き込み、その後のバンドブームを支える役割を果たしました。特に、積極的なオーディションやコンテストの開催も魅力的な内容を生む要因となりました。

変革と挑戦

1990年代に入ると、バンドブームに乗って業績は好調でしたが、その後の市場の変化に対応するため、新しい雑誌の発行や一般書への進出が試みられました。しかし、いくつかの試みは成功せず、業績は厳しい局面を迎えます。その中で書籍部門を強化した結果、ヒット作も生まれ、経営の再建を図りました。

2001年にはコミック事業から撤退し、雑誌やアーティスト書籍の編集に特化する体制に移行しました。2006年には、書籍編集部門を別会社に売却し、業務内容が整理されました。また、雑誌『WHAT's IN?』はJ-POPを中心とした内容で市場のトレンドを牽引し続けました。

統合と新生

2012年4月1日、音楽専門チャンネル「MUSIC ON! TV」を運営していたミュージック・オン・ティーヴィとの統合により、社名はエムオン・エンタテインメントに変更され、新たなスタートを切りました。これにともない、旧ソニーマガジンズのオフィスも新社屋に移転し、新たなステージに進むこととなります。

最後の発行誌

ソニー・マガジンズが刊行していた雑誌には、デジモノ×ステーションやリスアニ!、GiRLPOPなどがありました。過去にはギターブックGBをはじめとして、多くの人気雑誌を世に送り出してきました。特に『PATi PATi』は2013年に最後の号が発行され、長い歴史に幕を下ろしました。

一方、『WHAT's IN?』はWEB媒体へと移行し、2016年には休刊となりました。長きにわたる音楽雑誌の展開を経て、ソニー・マガジンズは音楽文化の一端を担い続けました。現在はエムオン・エンタテインメントとして、新たな形で音楽と出版の領域で事業を展開しています。

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