ソニー・放送メディア

株式会社ソニー・放送メディアについて

株式会社ソニー・放送メディア（Sony Broadcast Media Co., Ltd.）は、かつてソニー株式会社の連結子会社として存在した資産管理会社です。放送業界との関わりが深いソニーは、1980年代から放送事業者への出資を行っていました。

設立と役割

1990年代後半、BSデジタル放送やCSデジタル放送の開始により多チャンネル化が進む中、ソニーはメディア事業の多角化を目的として1998年4月1日に株式会社ソニー・放送メディアを設立しました。この会社は、ソニーが保有していた各放送事業者の株式を譲り受け、継続保有するとともに、新規参入の放送事業者への投資も行っていました。

設立当初は、ソニーが放送事業に本格的に参入するための足がかりとして重要な役割を担っていました。放送事業者の株式を管理し、経営に影響を与えることで、グループ全体のメディア戦略を推進していました。

合併と消滅

しかし、2009年9月2日にソニーの放送事業が非中核事業と位置付けられると、事業合理化のため同年11月1日にソニー本体と合併し、株式会社ソニー・放送メディアは消滅しました。これに伴い、同社が保有していた株式はソニーが直接保有する形となりました。

株式保有に関する注意点

放送法におけるマスメディア集中排除原則により、放送事業者の株式を一定割合以上保有することは制限されています。そのため、株式会社ソニー・放送メディアの出資先企業の持株比率は50%未満であり、中間持株会社という位置づけは誤りです。また、放送持株会社とも性質が異なります。

主な保有株式

株式会社ソニー・放送メディアは、以下のような放送関連企業の株式を保有していました。

株式会社スカパーJSATホールディングス 8.2%
株式会社毎日放送 4.44%
株式会社ビーエスフジ 3.21%
株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 2.3%
日本映画衛星放送株式会社 15%
株式会社ミュージック・オン・ティーヴィ（後のエムオン・エンタテインメント） 33.3%
株式会社大富 16.5%
株式会社ジェイ･スポーツ・ブロード・キャスティング（後の株式会社ジェイ・スポーツ） 10.7% (2009年7月にジュピタースポーツに売却)

また、ソニー系列のアニマックスやAXNジャパンは、株式会社ソニー・放送メディアではなく、ソニーの連結子会社であるSPEまたはSPEJの傘下にあります。

まとめ

株式会社ソニー・放送メディアは、ソニーの放送事業戦略において重要な役割を担っていましたが、事業再編によりその役割を終えました。しかし、同社が保有していた放送事業者の株式は、現在もソニーが直接保有しており、その影響力は依然として存在しています。

この会社の存在は、ソニーが放送業界に深く関わってきた歴史を示すものであり、今日のメディア業界におけるソニーのポジションを理解する上で重要な要素と言えるでしょう。

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