そのこ

そのこ：元自衛官から人気芸人へ

1981年4月23日生まれのそのこは、吉本興業東京本部所属のお笑い芸人です。彼女の経歴は、一般的な芸人とは少し異彩を放ちます。元陸上自衛隊員、それも第10普通科連隊出身という、意外な過去を持つのです。

20歳から16年間、帯広駐屯地で自衛官として勤務。階級は三等陸曹、職種は需品科でした。災害時の衣食住支援など、人々の生活を支える重要な役割を担っていた日々。そんな生活の中で、彼女は芸人の道へと進む転機を迎えます。

きっかけは、アンジェラ・アキのものまね。周囲を爆笑の渦に巻き込んだ経験と、幼い頃から好きだった列車接近メロディーへの情熱が、彼女を芸人の世界へと導きました。「芸人になって電車のものまねをやりたい」という夢が膨らみ、自衛官を退職。2018年、NSC東京校24期生として入学します。

NSC時代には、五十川恵里とコンビ「エンペラー」を結成し、M-1グランプリにも出場。120組もの同期生の中から上位3組に残るなど、高い実力を示しました。NSC卒業後、わずか1年で『女芸人No.1決定戦 THE W』2019年大会に決勝進出を果たすという快挙を成し遂げます。

2020年からは、神保町よしもと漫才劇場に出演。同年には、第5回上方漫才協会大賞新人賞にもノミネートされました。着実に実績を重ね、その名を広く知らしめています。

そのこの芸風は、彼女の個性と趣味が存分に発揮されたものです。舞台衣装は駅員制服。鉄道好きを活かし、キーボードと組み合わせた電車や新幹線の車内アナウンス、ドアの閉まる音や発車音などの擬音ものまねを得意としています。

特に、鉄道ものまね芸で知られる中川家との共演は、NSC入学時の目標でした。そして『THE W』決勝進出後、ラジオ番組で念願の共演を果たしています。元自衛官であるやす子とは異なり、自身の自衛隊経験はネタには使いません。自衛隊時代のエピソードは、元自衛官の先輩であるトッカグンのYouTubeチャンネルでのみ披露しています。

テレビ出演も多数。読売テレビ『ガリゲル』、フジテレビ『ネタパレ』（芸歴わずか2週間で出演）、日本テレビ『女芸人No.1決定戦 THE W』『スッキリ』、ニッポン放送『DAYS』、TBS『その他の人に会ってみた』、フジテレビ『コサキン・天海の超発掘!ものまねバラエティー マネもの』、日本テレビ『ものまねグランプリ』など、数々の番組でその芸を披露しています。

そのこは、元自衛官という異色の経歴と、持ち前の鉄道愛を武器に、独自の芸風を確立した人気芸人です。その独特のキャラクターと高い実力で、今後ますますの活躍が期待されます。彼女が、どのような新しいネタで観客を魅了してくれるのか、今後の活動から目が離せません。

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