ソビエツキー・ソユーズ級戦艦

ソビエツキー・ソユーズ級戦艦の概要

ソビエツキー・ソユーズ級戦艦は、ソビエト連邦が計画した一連の戦艦であり、正式には「23設計戦列艦」と称されます。この艦級は、ソ連海軍において戦列艦に分類されており、代表的には1番艦の名前から「ソビエツキー・ソユーズ」と名付けられました。1930年代の後半に建造が始まるも、大祖国戦争の影響により全ての艦が建造中止となり、最終的には解体される運命を辿りました。

建造の背景

第一に、ソ連海軍が有する戦艦は戦前の「セヴァストーポリ」級の3隻のみであり、国防の強化が急務とされていました。1934年からアメリカでの建造も考慮された時期があり、1936年の艦隊整備計画によって、15隻の戦艦建造が予定されましたが、その後の改訂で8隻に減少しました。

設計と試験

本級の設計はイタリアのアンサルド社を背景に策定され、当初は技術援助を求めてアメリカとも交渉が試みられましたが、結果的には失敗に終わりました。1937年には設計が完成し、1939年に建造が正式に承認され、1938年から建造作業が始まりました。しかし、大型艦の建造には新たな技術の投入が必要であったため、様々な実験が行われました。その中には、艦の機動力や装備の試験が含まれており、設計段階でも多くの新技術が導入されました。

建造の遅延と中断

計画では、ソビエツキー・ソユーズ級は8隻の建造が見込まれましたが、最終的に実行されたのは4隻に留まりました。レニングラードのオルジョニキーゼ工廠のみで建造が行われたため、資材や技術力の不足、高度な設計能力が求められ、建造は思うように進展しませんでした。特に、1939年6月には、工事の進捗がわずか0.16%に過ぎなかったという状況も明らかになりました。

戦争の影響

1941年の独ソ戦が勃発すると、戦艦建造に必要な資源が他の艦艇に振り分けられるようになり、残る艦の建造も中止となりました。特に、「ソビエツカヤ・ウクライナ」の建造はドイツ占領下にあったため困難を極め、戦後の再開も見込めませんでした。

終焉

終戦後、ソビエツキー・ソユーズ級の建造計画の再開が模索されましたが、財政的な余裕が無く、また戦艦の戦略的価値が大きく変化したことから、建造計画は存続できず1949年には完全に中止され、解体されました。その結果、ソビエツキー・ソユーズ級は、未完成のまま永遠に幻の艦となりました。

影響と評価

ソビエツキー・ソユーズ級戦艦の計画や設計は、後の艦艇設計に多くの教訓を残し、その思想や技術はソ連海軍の基盤となりましたには、他の艦艇との設計構想が続く一方で、その存在意義や具体的な戦略の見直しが必要であったことが明らかです。未完成に終わったにも関わらず、その構想はソ連の艦艇開発の方向性を示す重要なマイルストーンとなりました。

同型艦とその後

最後に、ソビエツキー・ソユーズ級には他にも、3隻の艦名が予定されていましたが、建造が実現しなかったため、結果的にソビエツキー・ソユーズのみが実船として起工された艦となり、他艦は全て幻となりました。ソビエツキー・ソユーズ級は、未完のままソ連海軍の歴史に残ることとなり、その歳月は海軍という職業の困難な道程を象徴したものと言えます。

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