ソフトシェルクラブ

ソフトシェルクラブとは

ソフトシェルクラブは、脱皮直後のカニを指す言葉です。文字通り、殻が柔らかい（Soft shell）カニ（crab）のことで、特定のカニの種類を指すわけではありません。脱皮したばかりの殻の柔らかい状態のカニであれば、様々な種類のカニがソフトシェルクラブとして扱われます。

カニの脱皮

カニのような甲殻類は、硬い殻に覆われているため、成長するにつれて脱皮を繰り返します。脱皮の際、カニは古い殻から体内のカルシウムを吸収し、それを脱ぎ捨てます。その後、新しい殻が硬化する前に水分を吸収して体を膨らませ、再びカルシウムを新しい殻に戻して硬化させます。この硬化する前の、殻がまだ柔らかい状態のカニがソフトシェルクラブです。

ソフトシェルクラブの価値

日本では、脱皮直後のカニは身入りが少ないとされ、以前は商品価値が低いと見なされていました。しかし、アメリカでのソフトシェルクラブの人気を受けて、日本でもその新たな価値が見直されつつあります。アメリカでは、ソフトシェルクラブはカニの水揚げ量の約半分を占めるほど、一般的な食材として広く利用されています。

ソフトシェルクラブの食べ方

ソフトシェルクラブは、殻ごと食べられるのが大きな特徴です。そのため、カニの旨味を余すことなく味わえます。一般的な調理法としては、以下のようなものがあります。

サンドイッチの具材として
天ぷらやフライにして
巻き寿司や手巻き寿司の具材として

これらの他にも、様々な調理法でソフトシェルクラブを楽しむことができます。

ソフトシェルクラブの種類

ソフトシェルクラブとして利用されるカニには、様々な種類があります。主なものとしては以下のものが挙げられます。

ブルークラブ

アメリカ東海岸で多く見られるワタリガニ科のカニです。学名は Callinectes sapidus で、日本ではアオガニと呼ばれます。ブルークラブは、5月から7月にかけてが旬とされ、脱皮直後のものがソフトシェルクラブとして利用されます。ブルークラブは、日本産のガザミとは異なり、ハサミの内側に突起がなく、オスは腹部が逆T字型をしているのが特徴です。脚が青いため、ブルークラブと呼ばれています。

その他のカニ

ブルークラブ以外にも、ノコギリガザミ（マングローブガニ、マッドクラブとも呼ばれる）やチチュウカイミドリガニなども、脱皮直後の個体がソフトシェルクラブとして食用にされています。これらのカニも、ブルークラブと同様に殻が柔らかい状態で調理されることで、独特の食感と風味を楽しむことができます。

ソフトシェルクラブの流通

ブルークラブの場合、獲れたカニを生簀で脱皮するまで監視し、脱皮したばかりのものを利用します。そのため、生簀を完備しているレストランもありますが、一般的には冷凍されたものが流通しています。

関連項目

カニ料理の一覧

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