ソフトハウスキャラ

ソフトハウスキャラ：シミュレーションゲームに特化したアダルトゲームブランドの軌跡

ソフトハウスキャラは、大阪府大阪市に拠点を置く有限会社キャラのアダルトゲームブランドです。2000年に設立され、2020年に惜しまれつつ解散するまでの約20年間、独自の路線を歩み続けました。

概要

アダルトゲーム業界において、シミュレーションゲームを専門とする珍しいブランドとして知られています。設立は2000年、グレイト大阪本社のメンバーの一部が独立したことがきっかけでした。初期には『海賊王冠』が高評価を受けましたが、その後はマイナーメーカーとして苦戦。同人ゲームサークルへの転身も検討されたほどでした。

転機となったのは『巣作りドラゴン』の大ヒットです。これにより製作ラインを増強し、中堅メーカーとして安定期に入りました。18禁要素やストーリー性を抑え、ゲーム性を重視する方針を打ち出し、プログラマー兼広報のJORI氏が「ソフトハウスキャラ チーム＋＋」を立ち上げました。

しかし、2020年3月23日、経営上の理由により、有限会社キャラおよびソフトハウスキャラの営業終了が発表され、法人として解散しました。ブランドおよび過去のタイトルはDMM GAMESに譲渡され、DMM GAMES.R18で販売が継続されています。

有限会社キャラは2020年12月21日に法人格が消滅しましたが、ブランド解散後も、ソフトハウスキャラのメンバーはKarinProjectや戯画チーム++のゲーム開発に携わっています。

特徴

ブランド創設当初からシミュレーションゲームに特化し、毎回異なる独自のシステムを持つ、やり込み要素の強いゲームを制作していました。既存のシステムを拡張したり、ストーリーを重視した大作を作るのではなく、ゲームごとに新しいシステムを導入するスタイルが特徴です。

ゲームエンジンには、自社製のSystemAoiを採用。初期作品ではEXE組み込み型でしたが、後にAoiLib.dllとしてDLL組み込み型に変更されました。

ゲストキャラ

過去作の登場人物がゲストキャラとして登場するのが恒例となっています。イベントCG1枚のみの登場や、主人公たちが所属する団体の名前が登場するなど、おまけ的な扱いが多いですが、第1作『葵屋まっしぐら』の舞台である温泉旅館「葵屋」とその女将は、ほぼ毎回登場しています。

その他

「うちのゲームはだれも同人誌にしてくれない」と語り、佐々木珠流氏の同人サークル「珠手箱」で原画集を販売しています。また、公式サイト上には「葵（仮）ちゃん劇場レボリューション！」というテキストコーナーや、「増刊劇場レボリューション」という漫画コーナーも設置されていました。

『巣作りドラゴン』以降のゲームディスクには、OPムービーを元にしたおまけムービーが収録されており、ボーイズラブ要素が含まれていましたが、『ウィザーズクライマー』では百合要素が取り入れられました。皇征介氏の退社後、『DAISOUNAN』以降はおまけムービーは収録されていません。

主な作品

葵屋まっしぐら (2000年)
うえはぁす 〜お姫様は今日も危険でした〜 (2000年)
海賊王冠 (2001年)
真昼に踊る犯罪者 (2001年)
アルフレッド学園魔物大隊 (2002年)
ブラウン通り三番目 (2003年)
レベルジャスティス (2003年)
巣作りドラゴン (2004年)
南国ドミニオン (2005年)
ダンシング・クレイジーズ (2005年)
グリンスヴァールの森の中 〜成長する学園〜 (2006年)
王賊 (2007年)
ウィザーズクライマー (2008年)
DAISOUNAN (2009年)
忍流 (2009年)
BUNNYBLACK (2010年)
雪鬼屋温泉記 (2011年)
BUNNYBLACK 2 (2012年)
門を守るお仕事 (2012年)
BUNNYBLACK 3 (2013年)
アウトベジタブルズ (2014年)
悪魔娘の看板料理 (2015年)
プラネット ドラゴン (2016年)
領地貴族 (2017年)
悪魔聖女～デーモンガール・ステップ～ (2018年)

ソフトハウスキャラ チーム++

その古城に勇者砲あり! (2015年)
呪いの魔剣に闇憑き乙女 (2017年)
その大樹は魔界を喰らう！ (2018年)

ソフトハウスキャラ チーム++関連ゲーム

KarinProject: 巣作りカリンちゃん (2019年), 巣作りカリンちゃん -星詠みの神託- (2021年)
戯画チーム++: ガルフラ -ガールズフランティッククラン- (2022年)

ソフトハウスキャラは、そのユニークなゲーム性と、業界内での異質な立ち位置で、多くのファンに愛されたブランドでした。解散後も、その作品と精神は、DMM GAMESを通じて、そして携わったクリエイターたちの新たな作品の中で生き続けています。

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