ソフトバンクBB
ソフトバンクBB株式会社の解説
ソフトバンクBB株式会社は、かつてソフトバンクグループ（現：ソフトバンク）の連結子会社として、固定通信事業を担っていた企業です。主にADSLやFTTH（光回線）などのブロードバンドサービスを提供していました。その歴史は、幾多の変遷と事業再編を経て、2015年にソフトバンクモバイル（現：ソフトバンク）に吸収合併される形で幕を閉じました。ここでは、ソフトバンクBBの設立から解散までの詳細な歴史を辿り、その事業展開と関連する出来事を詳しく解説します。
ソフトバンクBBの歴史
設立と事業展開
ソフトバンクBBの起源は、1999年に設立されたソフトバンク・コマース株式会社に遡ります。その後、事業譲渡や商号変更を経て、2003年にビー・ビー・テクノロジー株式会社がソフトバンクネットワークス株式会社などを合併し、ソフトバンクBB株式会社が誕生しました。この際、Yahoo! BBブランドで展開されていたADSL事業を本格的に開始しました。この時期には、他社を吸収合併することで事業を拡大しており、その中には日本におけるADSL事業の草分け的存在であった「東京めたりっく通信」などの企業も含まれています。これらの吸収合併により、Yahoo! BBのサービス基盤が強化されました。
サービスとブランド
ソフトバンクBBは、Yahoo! BBのブランド名で、ADSLサービスを広く展開しました。しかし、2005年には事業分割を行い、ADSL事業をBBテクノロジー株式会社として分社化し、コンテンツサービスやFTTH事業を新たに設立されたソフトバンクBB株式会社が引き継ぎました。その後、2007年にBBテクノロジーがソフトバンクBBを吸収合併する形で再統合され、再びソフトバンクBB株式会社として事業を継続しました。
吸収合併と解散
2015年、ソフトバンクBBはソフトバンクテレコム、ワイモバイルとともにソフトバンクモバイルに吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。これにより、ソフトバンクグループの通信事業は、より一体化された体制へと移行しました。
主な出来事
Yahoo! BB顧客情報漏洩事件
2004年には、Yahoo! BBの顧客情報漏洩事件が発生し、約450万人の個人情報が漏洩するという深刻な事態となりました。この事件は、個人情報の管理体制の不備が原因であり、ソフトバンクグループ全体で個人情報保護に対する意識を高める契機となりました。
労働基準法違反問題
2009年には、採用活動において学生に携帯電話の新規契約を求める「特別採用コース」が問題視されました。この行為は、労働基準法違反の疑いがあるとして厚生労働省が調査を開始し、批判を受けたため、採用条件が変更されることになりました。
光ケーブルの一分岐貸し問題
2011年には、NTT東西に対して光ケーブルの一分岐貸しを求める訴訟を提起しましたが、2014年に棄却されました。これは、ADSLサービスの契約件数減少と、FTTHサービスへの移行をスムーズに行うためのインフラ整備が課題となっていたことが背景にあります。
企業としての変遷
ソフトバンクBBは、ADSLサービスの普及に大きく貢献しましたが、ブロードバンド市場の変化に対応するため、様々な事業戦略を打ち出しました。その過程で、事業分割や吸収合併を繰り返し、事業構造を変化させながら、最終的にはソフトバンクグループの再編の中で、その役割を終えました。
関連会社と事業所
ソフトバンクBBは、BBIXやBBソフトなど、複数の子会社を抱え、インターネットエクスチェンジ事業やソフトウェア事業を展開していました。事業所は、汐留本社をはじめ、全国各地にオフィスやコールセンターを構えていました。
脚注
ソフトバンクBBは、その短い歴史の中で、日本のブロードバンド市場に大きな影響を与えましたが、通信技術の進化と市場の変化に合わせ、グループ再編を経て、ソフトバンク株式会社の一部となりました。
関連項目
外部リンク
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