ソマリア暫定連邦政府

ソマリア暫定連邦政府（TFG）とは

ソマリア暫定連邦政府（Transitional Federal Government、TFG）は、2004年から2012年まで存在したソマリアの暫定政府です。ソマリ語ではDowladda federaalka kumeelgaarka、アラビア語ではالحكومة الاتحادية الانتقالية、イタリア語ではGoverno Federale Transitorio Della Somaliaと表記されます。

成立の背景と目的

1991年のバーレ政権崩壊後、ソマリアは氏族を母体とする軍閥が割拠し、内戦が続く無政府状態に陥りました。2000年には暫定国民政府（TNG）が樹立されましたが、十分な成果を上げられず、和平への新たな試みとして、2004年にケニア政府の助力によりソマリア暫定連邦政府（TFG）が設立されました。

TFGは、ソマリア全土を実効支配するには至りませんでしたが、連邦制国家の樹立を目指し、「暫定」ではない「連邦政府」への橋渡しとしての役割を担いました。2004年2月には暫定連邦憲章が採択され、暫定連邦機関（TFIs）が設立されました。TFGは、エチオピア、アメリカ合衆国、国際連合からの支持を受けていましたが、日本はTFGをソマリアの政府として承認していませんでした。

政府の構成

TFGは、首相を筆頭とする内閣と、内閣の各長官が運営する政府の下部組織（防衛省など）から構成されていました。首相は大統領が指名し、暫定連邦議会（TFP）が承認することで成立しました。内閣、大統領、議会の3つを合わせて「暫定連邦政府」と呼ぶこともありました。

最後の首相は、アブディウェリ・モハメド・アリでした（2011年6月19日より暫定首相、同月28日より正式に就任）。内閣を構成する長官の職は、当初は42ありましたが、2006年までに31に減らされました。

歴史

TFGは成立当初、隣国ケニアに拠点を置き、ほとんど力を持っていませんでした。2006年にイスラム法廷会議が首都モガディシュを支配すると、隣国エチオピアがTFGを支援する形でソマリアに侵攻し、モガディシュを含むソマリア中南部を占領しました。しかし、イスラム勢力の抵抗により、TFGはバイドアに撤退しました。

2009年1月にエチオピア軍が撤退すると、イスラム勢力のアル・シャバブがバイドアを占領し、TFGはジブチに撤退しました。2012年8月1日に暫定憲法を採択し、同年8月20日に暫定統治期間が満了しました。その後、連邦共和国政府に引き継がれ、2012年9月には新大統領としてハッサン・シェイク・モハムドが選出されました。

暫定統治期間の満了とその後

2012年8月20日、TFGの暫定統治期間は満了し、新たな連邦政府へと移行しました。これにより、ソマリアは国家再建に向けた新たな段階に入りました。TFGは、連邦制国家の樹立という目標に向け、一定の成果を挙げたものの、依然として多くの課題を抱えていました。しかし、その努力は、後の連邦政府へと引き継がれ、ソマリアの安定と発展に貢献することとなりました。

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