ソマリランドの行政区画

ソマリランドの行政区画

ソマリランドは、1991年にソマリアからの分離独立を宣言した国家です。国際的な承認は得られていませんが、独自の行政区画を定めています。本記事では、ソマリランドの行政区画の概要、変遷、そして領土問題について解説します。

行政区画の概要

ソマリランドは、6つの州（Region）と、その下位区画である101の地区/県（District）から構成されています。首都ハルゲイサは、行政区画を定めた法律とは別の独自の法律を持っています。

ソマリランド政府が定めた各州の名称及び州境は、ソマリア政府が定義した名称及び州境とは一部異なっています。

行政区画の変遷

イギリス領・独立時代

イギリス領ソマリランド（1884年 - 1960年）では、1953年制定の地方自治体条例により、6つの地区に評議会が設置されました。この6つの地区は、1960年のソマリランド国独立後も引き継がれました。

ソマリア時代

1960年、ソマリランド国はイタリア領ソマリランドと合邦し、ソマリア共和国となりました。1962年、旧イギリス領の6地区は2つの州に再編されました。

1969年の軍事クーデター後、バーレ政権は地方自治体を政府の直轄下に置き、1982年までに全国の州を再編しました。北部地域（旧イギリス領）は、北部ガルベード州、トゲアー州、サナーグ州に分割されました。

独立前の行政区画

1991年のバーレ政権崩壊直前、北部地域は5つの州に分割されていました。地区の数は資料によってばらつきがありますが、国際連合人道問題調整事務所（OCHA）の資料では18地区となっています。

1991年 - 2002年

ソマリ国民運動は1991年にソマリランドの独立を宣言し、6つの州と19の地区に区分されました。地区の格付けが行われるようになり、大統領令によって新たな地区が作成されましたが、ほとんどは議会で承認されませんでした。

2002年 - 2008年

2002年に定められたソマリランド法では、地区ランクによって地方議会の議員定数などが定められました。首都ハルゲイサには特別な法律（首都法）を制定することが盛り込まれました。

2008年 - 2020年

2008年、カヒン大統領は州の再編を発表し、12州となりました。その後、ハイシモ州が新設され、14州となりました。しかし、これらの新しい州と一部の地区は議会で承認されず、2020年の地方自治体法施行により、6州101地区に戻されました。

領土問題

国境紛争

ソマリランドは、東に位置するプントランドと、スール州、サナーグ州、トゲアー州東部のブーホードレ地区をめぐって対立しています。この地域はSSC地域と呼ばれています。プントランドはダロッドの民族統一主義を掲げ、SSC地域の領有権を主張していますが、ソマリランドは歴史的にイギリス領ソマリランドに含まれていた地域として反対しています。

住民の抵抗

ソマリア残留を望む一部住民や、国境紛争に耐えかねたSSC地域の住民によって、自治または独立宣言が行われることがあります。これらの宣言は、ソマリランド当局によって鎮圧されることが多いですが、紛争地域では数年間独立を維持したケースもあります。

まとめ

ソマリランドの行政区画は、歴史的な変遷と複雑な領土問題を抱えています。2020年の地方自治体法施行により、6州101地区という現在の形になりましたが、国境紛争や住民の抵抗など、解決すべき課題は多く残されています。

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