ソユーズ17号

ソユーズ17号ミッション

1975年、ソビエト連邦によって行われたソユーズ17号ミッションは、同国の宇宙開発における重要な一歩となりました。この有人宇宙飛行の主目的は、新たに軌道上に設置された宇宙ステーション「サリュート4号」への初の長期滞在でした。

このミッションは29日間に及び、これは1971年にサリュート1号に滞在したソユーズ11号の乗員が樹立した23日間の宇宙滞在記録を塗り替える、当時のソ連における最長記録を樹立しました。

搭乗員は、コマンダーのアレクセイ・グバレフ宇宙飛行士と、フライトエンジニアのゲオルギー・グレチコ宇宙飛行士が務めました。彼らを支える支援搭乗員としてワシリー・ラザレフとオレグ・マカロフ、予備搭乗員としてピョートル・クリムクとヴィタリー・セバスチャノフが名を連ねました。

ミッションに使用されたソユーズ宇宙船の打ち上げ重量は約6800kgで、初期軌道は近地点185km、遠地点249km、軌道傾斜角51.6度、周期88.8分でした。

サリュート4号は1974年12月26日に先行して軌道に投入されており、ソユーズ17号はその16日後の1975年1月10日に地球を出発しました。宇宙へ到達したソユーズ宇宙船は、1月12日にサリュート4号とのドッキングに臨みました。この重要な操作は、グバレフ宇宙飛行士の手動操縦によって見事に成功しました。彼らが初めてステーション内部へ足を踏み入れた際、地上管制官からのユーモラスなメッセージが貼られているのを発見しました。それは「足を拭けよ！」という短いながらも温かみのある指示でした。

ソユーズ17号がドッキングした際、サリュート4号はそれまでのステーションに比べて高い、約350kmの軌道を周回していました。これは、サリュートの設計者であるコンスタンチン・フェオクチストフ氏によれば、推進剤の消費量を従来の低軌道と比較して約半分に抑えるための工夫だったとされています。ステーションを高い軌道に置くことで、軌道減衰率を低下させ、運用寿命を延ばす狙いがありました。

ステーションでの滞在中、宇宙飛行士たちは毎日15時間から20時間という長時間にわたり様々な作業に従事しました。これには、宇宙環境における健康維持のため、1日2回の30分間の運動も欠かさず含まれていました。活動内容は多岐にわたり、地球上の追跡船との通信設備の性能を試験したり、モルニア衛星を介してミッションセンターとの安定した連絡を確立したりすることが挙げられます。

このミッションの主要な科学的要素の一つは、1月16日から開始された太陽望遠鏡を用いた天体物理学観測でした。太陽の活動やその他の天体の詳細な観測が期待されていましたが、望遠鏡のポインティングシステムに不具合が生じるという問題が発生しました。後に宇宙飛行士たちは、このトラブルにより望遠鏡の主鏡が太陽光に直接晒されたことによって光学系が損傷していることを発見しました。彼らは困難な状況下で、2月3日に損傷したミラーの修理を試みました。

また、技術的なトラブルとして、1月14日にはソユーズ宇宙船側の換気システムに故障が発生しました。これに対し、彼らはサリュート4号側の換気システムからホースを接続するという臨機応変な対応で、船内の空気循環を維持しました。

地上との通信においては、新型のテレタイプ端末が導入されました。これにより、音声による頻繁な割り込みが減少し、作業中のサリュート乗組員がコンスタントに作業を中断されることなく、より効率的に情報を受け取ったり送ったりすることが可能になり、作業効率の向上に貢献しました。

ミッションの終盤、宇宙飛行士たちはステーションの運用停止に向けた準備を進め、2月7日にはサリュート4号の電源を落とし始めました。そして、その2日後の2月9日、アレクセイ・グバレフ宇宙飛行士とゲオルギー・グレチコ宇宙飛行士は、ソユーズ宇宙船の帰還カプセルに乗って無事地球へ帰還しました。ソユーズ17号ミッションは、サリュート4号の長期運用に向けた貴重なデータと経験をもたらしました。

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