ソユーズTMA-08M

ソユーズTMA-08M：国際宇宙ステーションへの革新的なミッション

ソユーズTMA-08Mは、国際宇宙ステーション（ISS）への人員輸送を目的としたロシアのソユーズ宇宙船のミッションです。2013年3月28日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、第35次長期滞在の3名の宇宙飛行士をISSへ運びました。このミッションは、従来の2日間を要するランデブー方式を刷新し、わずか6時間でISSとのドッキングを成功させたことで特筆されます。

ミッションの概要

ソユーズTMA-08Mは、ソユーズ宇宙船による117回目の有人宇宙飛行であり、ISSに緊急脱出用の宇宙船としてドッキングし、第36次長期滞在の期間中、宇宙に留まりました。打ち上げ時と同じ3名の宇宙飛行士を乗せて、2013年9月に地球に帰還しています。

6時間での高速ランデブー

このミッションの最大の特徴は、従来の2日間を要していたISSとのランデブーを、大幅に短縮した6時間で行ったことです。この高速ランデブー方式は、ロシア連邦宇宙局（ロスコスモス）によって開発され、プログレス補給船で試験が行われました。これにより、宇宙飛行士のISS到着までの時間が大幅に短縮され、宇宙での滞在期間をより有効に活用することが可能になりました。

乗組員

ソユーズTMA-08Mの乗組員は以下の通りです。

船長：パーヴェル・ヴィノグラードフ（ロスコスモス）
フライトエンジニア1：アレクサンダー・ミシュルキン（ロスコスモス）
フライトエンジニア2：クリストファー・キャシディ（NASA）

バックアップ crew:

船長：オレッグ・コトフ(RKA)
フライトエンジニア1：セルゲイ・リャザーンスキー(RKA)
フライトエンジニア2：マイケル・ホプキンス(NASA)

打ち上げとドッキング

ソユーズTMA-08Mを搭載したソユーズFGロケットは、2013年3月28日20時43分（GMT）にバイコヌール宇宙基地のガガーリン発射台から打ち上げられました。ロケットは正常に機能し、打ち上げから約9分後、乗組員を乗せたソユーズ宇宙船は予定の軌道に投入されました。

軌道投入後、ソユーズTMA-08Mは直ちにISSへのランデブーを開始しました。最初の軌道で2回のエンジン燃焼を行い、2周目の軌道で地球局から送信された軌道パラメータに基づいて、その後5時間で8回のエンジン燃焼を実施しました。

打ち上げからわずか6時間後の3月29日2時28分（GMT）、ソユーズTMA-08MはISSのミニ・リサーチ・モジュール2（ポイスク）にドッキングしました。これは、有人宇宙船によるISSへのドッキングとしては、当時最速の記録となりました。

4時35分（GMT）にハッチが開けられ、新たに到着した乗組員は、第35次長期滞在のクリス・ハドフィールド、トーマス・マーシュバーン、ロマン・ロマネンコに迎えられました。その後、6名の乗組員は、モスクワ近郊の管制センターにいるそれぞれの家族や関係者と歓迎セレモニーを行いました。

意義

ソユーズTMA-08Mのミッションは、宇宙輸送における効率化と迅速化を示す重要な事例となりました。6時間での高速ランデブーは、宇宙飛行士の負担軽減、ISSでの実験時間確保、緊急時対応能力の向上など、多くのメリットをもたらします。このミッションで得られた経験は、今後の宇宙開発におけるランデブー技術の発展に大きく貢献しています。

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