ソルジャーブレイド

PCエンジン縦スクロールシューティングの金字塔『ソルジャーブレイド』

1992年7月10日、ハドソンよりPCエンジン用ソフトとして発売された『ソルジャーブレイド』は、同社が誇る『ソルジャーシリーズ』の第4作にして、シリーズ最終作として知られています。プレイヤーは重戦闘機「ソルジャーブレイド」に乗り込み、地球侵略を企む外宇宙異生命体「ゼオグラード軍」との戦いに挑みます。

オーソドックスながら爽快感溢れるゲーム性

本作はオーソドックスな縦スクロールシューティングゲームとして、シリーズの基本システムを踏襲しながらも、大幅な進化を遂げています。3種類の武器（ブラスターショット、レーザー、ウェーブ）とボムを駆使し、迫りくる敵機を撃破していく爽快なゲーム性は健在。各武器は3段階までパワーアップが可能で、連射速度の調整も可能です。さらに、ボムはオプションを消費して発動する強力な攻撃で、使用中は無敵状態となるため、戦略的な使用が勝利への鍵となります。

オプション取得で敵弾吸収機能を持つガンボディが追加され、ボムゲージも溜まるため、攻撃と防御のバランスが重要になります。スピードはHIGHとLOWの2段階から選択でき、自分のプレイスタイルに合わせた調整が可能です。

ノーマルモードに加え、2分間と5分間のスコアアタックモードも搭載。ハドソンお馴染みのキャラバンシリーズの伝統を受け継ぎ、ハイスコアを目指して腕を磨くことができます。難易度は2段階から選択でき、初心者から上級者まで幅広い層が楽しめるようになっています。また、本作ではソフト連射が標準装備されているのも特徴です。

重厚なストーリーと魅力的なキャラクター

21世紀、地球の資源枯渇を背景に、人類は宇宙への進出を開始します。しかし、外宇宙探査中に突如消息を絶った探査船団が、外宇宙異生命体「ゼオグラード軍」として地球へと帰還。地球政府軍は壊滅状態に陥り、人類は絶体絶命の危機に瀕します。

主人公ジョン・ハワードは、かねてより異星人襲来を予測し、超小型バイアスドライブ搭載の重戦闘機「ソルジャーブレイド」を開発していました。学会から追放され、落ちこぼれ部隊「SIAチーム」へ左遷されたジョンは、人類の最後の希望として、ゼオグラード軍との戦いに身を投じます。

多彩な機種展開と高い評価

『ソルジャーブレイド』は、PCエンジン版以外にも、Windows、Wii、PlayStation 3、PlayStation Portable、Wii Uなど、様々な機種で配信され、多くのゲーマーにプレイされました。『PC Engine Best Collection ソルジャーコレクション』や『PC Engine GameBox』といったオムニバス作品にも収録されており、その人気は衰えることを知りません。

ゲーム誌での評価も高く、『ファミコン通信』『月刊PCエンジン』『マル勝PCエンジン』『PC Engine FAN』など、多くの媒体で高いスコアを獲得しました。その洗練されたゲーム性、重厚なストーリー、そして美しいグラフィックは、多くのプレイヤーの心を掴み、現在でも根強いファンに支持されています。

開発秘話

企画当初は『ソニックブラスター F-92』というタイトルでしたが、営業部門からの要望により『ソルジャーシリーズ』に組み込まれることとなり、『ソルジャーブレイド』というタイトルが決定しました。開発コードは一時「ひげソルジャー」というダジャレ呼称が使われていたことも明かされています。

開発中には容量削減のため、BGMやステージデザインの見直しを余儀なくされたとのこと。また、他社の作品『トライゴン』や『武者アレスタ』からの影響も認められており、制作陣の敬意が垣間見えます。

まとめ

『ソルジャーブレイド』は、PCエンジンを代表する名作シューティングゲームの一つです。オーソドックスなゲーム性でありながら、爽快感、戦略性、そして奥深さといった要素を高い次元で融合させた本作は、シューティングゲームファンのみならず、多くのゲーマーに長く愛される作品と言えるでしょう。20周年記念の資料集も発売されており、その歴史と人気を改めて感じさせてくれます。

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