ソンコ・マージュ

ソンコ・マージュ：心の川を奏でるギタリスト

ソンコ・マージュ（本名：荒川義男）は、1935年2月20日に栃木県栃木市で生まれました。彼は、日本の音楽界において、ギタリスト、そしてフォルクローレ奏者として独自の地位を確立しています。

スペイン留学と南米音楽との出会い

1966年、ソンコ・マージュはスペイン政府の奨学生として留学し、アンドレス・セゴビアやホセ・トマスといった著名なギタリストに師事しました。この留学を機に南米の民俗音楽に深く触れ、研究を重ねることになります。

アタウアルパ・ユパンキとの出会いと「ソンコ・マージュ」の名

1967年、ソンコ・マージュはアルゼンチンのフォルクローレ奏者であるアタウアルパ・ユパンキの弟子となります。ユパンキは彼の才能を高く評価し、愛用のギター（1953年製の初代ヌーニェス）を贈るとともに、ケチュア語で「心の川」を意味する「ソンコ・マージュ」という名前を与えました。

音楽活動

1974年にLP「復活」を発表した当初は、ユパンキの作品のみをレパートリーとし、その奏法を忠実に再現することに重きを置いていました。しかし、その後は自身の音楽性を追求し、独自の表現を確立していきます。

1983年には、ペルーの首都リマのライオンズクラブから名誉賞を授与され、その音楽的貢献が国際的に認められました。1998年には、国際芸術文化賞、国際文化栄誉賞を受賞しています。

ディスコグラフィ

LP

「ギターの詩情」（ミノルフォン）1972年（廃盤）
「復活」（エレックレコード）1974年（廃盤）
「ひとりで旅に出た」（CBSソニー）1976年（廃盤）
「インディオの道」（ユピテル）1980年（廃盤）
「漁民堂ライブ」1985年（廃盤）

CD

「ライブ イン 洞戸」（フォンテック）1989年
「ソンコマージュの世界（ベスト版）」（フォンテック）2001年
「大地は待っている」2005年

著書

ソンコ・マージュは、音楽活動に加え、著述活動も行っています。五木寛之、水木しげる、野坂昭如、横尾忠則といった著名人との対談集や、アタウアルパ・ユパンキの著作の翻訳、エッセイ集などを発表しています。

対談集『心、風景、そして歌』1974年（アデイン書房）
翻訳『インディオの歌』アタウアルパ・ユパンキ著、1976年（集英社文庫）（絶版）
エッセイ集『ギターは風の歌をつれて』1980年（講談社）（絶版）
翻訳『風の歌』アタウアルパ・ユパンキ著、1998年（現代ギター社）
楽譜「アタウアルパ・ユパンキ愛奏曲集」（現代ギター社）

ソンコ・マージュの音楽は、南米の豊かな文化と、彼の心の奥底から湧き出る感情が融合したものです。そのギターの音色は、聴く者の心を揺さぶり、遠い異国の風景へと誘います。

外部リンク

ソンコ・マージュ公式サイト

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