ソン・フィルトル

ソン・フィルトル：伝説のバンド、その軌跡

ソン・フィルトルは、堺正章、ムッシュかまやつ、井上堯之という、日本の音楽史に名を刻む3人によって結成されたバンドです。1999年、ザ・スパイダースの中心メンバーであった彼らが、堺の誕生日に再会したことをきっかけに結成されました。バンド名はムッシュかまやつが名付けたもので、フランス語で「両切り煙草」を意味します。これは、かまやつの愛煙と、彼らの音楽が混じりっ気のないストレートなものであるという二つの意味を込めて名付けられました。

結成と初期の活動

結成後、彼らはすぐに活動を開始し、1999年10月6日には東京・六本木のライブハウス「スイートベイジル139」で初ライブを行いました。そのリハーサルはメディアにも公開され、注目を集めました。

同年12月31日には、第50回NHK紅白歌合戦に出場。当時、オリジナル曲がなかったため、出場を機に「Yei Yei」を制作し、番組で披露しました。この時、堺は裏番組である日本レコード大賞の司会も務めており、大きな話題となりました。

音楽性とライブ活動

2000年2月には、オリジナル曲「Yei Yei」を含むマキシシングルをリリース。彼らの音楽性は、ザ・スパイダース時代のグループサウンドに加え、リズム・アンド・ブルース、そしてかまやつが得意とする古典的なブリティッシュロックの要素が融合したものでした。

2001年には、若手のホーンセッショングループをバックバンドに迎え、東京、名古屋、大阪でライブツアーを行いました。このツアーは、かまやつの実息である釜萢太郎（TAROかまやつ）がプロデューサーを務めました。ライブでは、スパイダース時代の楽曲のほか、堺の「さらば恋人」、かまやつの「我が良き友よ」、井上の「太陽にほえろ!のテーマ」なども演奏され、観客を熱狂させました。

短期での活動とその後

ソン・フィルトルの活動は、商業的な目的ではなく、あくまで趣味の延長線上のものでした。そのため、短期間で自然消滅という形になりました。その後、かまやつと井上は他界し、2023年5月時点で存命しているのは堺のみとなっています。

ディスコグラフィー

シングル

Yei Yei（2000年2月23日、力塾 DAKCJEH-3002）

NHK紅白歌合戦出場歴

2000年（第50回）/12番目/26組


ソン・フィルトルの活動期間は短かったものの、その音楽性とメンバーのカリスマ性は、多くの人々に強い印象を残しました。彼らの音楽は、今もなお色褪せることなく、多くのファンに愛され続けています。

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