TAROかまやつ

TAROかまやつ：音楽一家に育まれた才能と、多様なキャリア

TAROかまやつは、日本の音楽界に多大な影響を与えたムッシュかまやつを父に、ジャズミュージシャンのティーブ釜萢を祖父に持つ、名実ともに音楽一家に生まれたミュージシャンです。3歳から作曲家の黛敏郎に師事し、14年間ピアノと音楽理論を徹底的に学びました。慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校時代は野球部に所属しながらも、音楽への情熱を燃やし続けました。

慶應義塾大学在学中には、バーやラウンジでピアノ演奏のアルバイトを始め、本格的に作詞・作曲活動を開始。ポール・マッカートニーやビリー・ジョエル、スタンダードジャズなど幅広い音楽に触れ、自身の演奏スタイルを確立していきました。大学時代には木下博勝など、音楽業界で活躍する多くの友人たちと交流を深めました。

大学卒業後は、父・ムッシュかまやつの助言に従い、フジテレビジョンに入社。経理局、事業局、広報局、ネットワーク局と様々な部署を経験し、最終的には編成制作局に所属しました。フジテレビ在籍中は、アーティストコンサートの運営に携わり、石井竜也などのコンサートツアー制作や、ムッシュかまやつが参加したバンド「ソン・フィルトル」の全国ツアーのプロデューサーを務めるなど、幅広い業務に携わりました。広報局時代にはバラエティ番組、連続ドラマ、格闘技番組など、様々な番組の広報を担当しました。20年以上にわたるサラリーマン生活を経て、2012年にフジテレビジョンを退職しました。

フジテレビ在籍中も、音楽活動は継続。ライブハウスで演奏活動を行い、2004年にはデモテープが関係者の目に留まり、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントからメジャーデビューのオファーを受けました。デビューの知らせを、前々日にスポーツ新聞で知ったというムッシュかまやつとは対照的に、TAROかまやつは、上司である遠藤龍之介の後押しもあり、会社員と音楽家の二足のわらじを履くことを決意。2006年5月25日、シングル「風のわだち」でメジャーデビューを果たしました。当初はフジテレビ社員であることを隠していましたが、メディアに取り上げられたことをきっかけに公表しました。デビューシングルは高い評価を受け、有線リクエストチャートでも上位にランクインするなど、成功を収めました。

メジャーデビュー後も、東京・六本木Clapsを拠点にソロライブ活動を続け、全国各地のイベントに出演。他のアーティストとのコラボレーションライブも行っています。現在も、フジテレビジョン退職後に起業した輸出入事業の代表取締役を務めながら、精力的に音楽活動を展開しています。

2014年には両親が相次いで重病となり、介護に専念するため音楽活動を一時休止。2017年には両親を相次いで亡くすという悲しみを経験しました。しかし、父の最後の言葉や、長年支えてくれたドラマーとの交流をきっかけに、約4年の休止期間を経て、2018年秋に音楽活動を再開しました。

これまで、シングル「風のわだち」、アルバム「ピアノマンの詩（うた）」、「KEEP ON」などをリリース。また、ラジオ番組「TAROかまやつ ピアノマンの部屋」のパーソナリティを務め、父・ムッシュかまやつの70歳記念アルバムにも参加するなど、多彩な活動を展開しています。2023年10月には、2024年中の新アルバムリリースに向けた準備を進めていることを発表しており、今後の活躍にも期待が集まっています。

さらに、TAROかまやつは、野球にも造詣が深く、高校時代は慶應義塾高等学校硬式野球部に所属。現在は野球チーム「麻布おもいやり軍」のGMを務めており、母校の甲子園優勝を現地で応援するなど、野球への熱い思いも持っています。

このように、TAROかまやつは音楽活動にとどまらず、サラリーマン、起業家、ラジオパーソナリティ、さらには野球チームのGMなど、多岐にわたる分野で活躍する稀有な存在です。音楽一家に生まれた才能と、自身の努力によって築き上げた幅広いキャリアは、多くの人の心を掴み、今後の活動にも注目が集まっています。

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