ソーダー

ソーダー（SODAR）について

ソーダーとは、SOnic Detection And Rangingの略で、大気の揺らぎによって生じる音波の反射を利用して上空の風速を測定する装置です。この技術は電波を用いるレーダー（RADAR）に類似していますが、音波を使用して大気中での探査を行います。水中における音波探査装置はソナー（SONAR）と呼ばれ、ソーダーとは区別されます。

ドップラー・ソーダーの概要

現代のソーダーはドップラー効果を利用した技術で、音波を送受信するシステムを採用しています。具体的には、ソーダーは単一のアンテナを用いる方式と、二つのアンテナで送受信を行う方式の二種類があります。前者は温度の変動を観測するのに対し、後者では温度の変動だけでなく風速の変動も捉えることが可能です。

さらに、単一アンテナのソーダーではフェーズドアレイ[[レーダー]]が多く用いられ、固定式や回転式のものがあります。回転式の場合、通常は三つのアンテナが配置され、一つは鉛直に向けられ、残りの二つはわずかに傾けられています。固定アンテナのシステムには、パラボラアンテナ式やホーン型スピーカーを利用したものがあり、それぞれ異なる方法で音波を発信・受信します。

風速の観測

風速はドップラー効果に基づいて観測されます。この際、測定は主に水平方向に行われ、天頂から視半径15〜30度の範囲での観測が可能です。ただし、天頂から20度以下の位置では観測に誤差が生じるため、修正が必要になります。また、鉛直方向の風速が0.2m/s以上である場合も同様に修正が求められます。

観測可能な高さと条件

ソーダーの観測範囲はおおよそ200mから2kmの間ですが、これは出力の大きさ、周囲の騒音、大気の安定性など多くの条件によって変動します。理想的な条件であっても場合によっては観測が不可能になることもあります。特に重要なのは、送信周波数が1kHz以下から4kHz程度であること、出力が数百Wに設定されることで、高度な測定が可能となります。出力が大きいほど、また低い周波数ほど高い高度の観測ができるものの、限界が存在します。パルス幅変調（PWM）を用いた場合が最も高い高度の測定を実現する手法とされています。

関連技術

ソーダーは気象観測や環境監視の分野で重要な役割を果たしています。同様の技術として、レーダーやLIDAR、ウィンドプロファイラなどが挙げられます。これらの技術は、より精密なデータ収集や分析に利用されており、さまざまな環境下での風速や気温などの観測に寄与しています。

参考情報

いくつかの関連団体も存在し、国際的な学術活動も進められています。たとえば、「International Society of Acoustic Remote Sensing of the Atmosphere and Oceans」では、大気や海洋における音波リモートセンシングの研究が行われています。

このように、ソーダーは音波技術を用いて大気の観測を行う重要なツールであり、気象学の発展に寄与しています。

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