ソ連軍のアフガニスタンからの撤退

ソ連軍のアフガニスタン撤退

ソ連軍のアフガニスタンからの撤退は、1979年12月のソ連軍のアフガニスタン侵攻に始まり、1989年2月15日に完了した一連の出来事です。10年近くに及ぶこの紛争は、ソ連にとって非常に困難な戦いとなり、最終的に撤退へとつながりました。

侵攻と泥沼化

1979年12月、ソ連はアフガニスタン民主共和国への軍事介入を開始しました。これは、アフガニスタン国内の共産主義政権を支援し、親ソ的な勢力を維持することを目的としていました。しかし、ソ連軍は、ムジャヒディーンと呼ばれる反政府ゲリラ勢力の激しい抵抗に遭い、紛争は泥沼化しました。ムジャヒディーンは、アメリカ合衆国やパキスタンなどの支援を受け、ゲリラ戦術を駆使してソ連軍を苦しめました。

撤退への動き

長引く紛争は、ソ連国内でも大きな負担となり、厭戦気分が高まりました。1985年にゴルバチョフ政権が成立すると、ソ連はアフガニスタンからの撤退を本格的に検討し始めました。ゴルバチョフは、紛争解決のため外交努力を重ね、1988年4月には、ソ連、アフガニスタン民主共和国、アメリカ、パキスタンの4か国による外相会談がジュネーヴで開催され、アフガニスタン和平協定が締結されました。この協定は、ソ連軍の撤退に向けた道筋を示すものでした。

撤退の開始と完了

1988年5月15日、ソ連軍はアフガニスタンからの段階的な撤退を開始しました。しかし、撤退中もソ連軍とムジャヒディーンとの間で激しい戦闘が繰り広げられ、多くの犠牲者が出ました。撤退は1989年2月15日に完了しましたが、紛争による犠牲は大きく、ソ連兵523名、ムジャヒディーン兵士約1,200名が命を落としました。

撤退後のアフガニスタン

ソ連軍の撤退後、アフガニスタンは再び混乱に陥りました。ムジャヒディーン勢力間の内戦が激化し、その後のタリバン政権の台頭、そしてアメリカ同時多発テロ事件後のアメリカ軍によるアフガニスタン侵攻へとつながっていきました。ソ連軍の撤退は、アフガニスタンのその後の歴史に大きな影響を与えた出来事と言えるでしょう。

関連項目

アフガニスタン
2021年ターリバーン攻勢 - アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退

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