ゾンビデオ

ゾンビデオ

2011年に製作され、2012年12月29日に劇場公開された日本映画です。ゾンビが蔓延した世界を舞台にした作品ですが、単なるホラーにとどまらず、随所にコメディタッチの要素が散りばめられています。キャッチフレーズは「世界一キュートなゾンビ映画」。

概要と特色

本作の最大の特徴は、主人公が『ゾンビ学入門』と題された対ゾンビ用の手引書ビデオを参考にしながら、実際に襲い来るゾンビと対峙していくという点にあります。この設定から「体感型ホラー・コメディ」とも称されました。
劇中には数多くのゾンビ映画に関する言及があり、ゾンビ映画がエンターテインメントとして認識されている世界で、突如として現実のゾンビアウトブレイクが発生するというユニークな世界観が描かれています。これは、ゾンビ映画ファンにとってニヤリとさせられる仕掛けと言えるでしょう。

ストーリー

映像製作会社に勤務する主人公アイコは、社内で偶然にも対ゾンビ対処法を紹介するHOW TOビデオ『ゾンビ学入門』を発見します。時を同じくして、リーダー格のヤスデ率いるゾンビの集団が日本にゾンビパニックを引き起こし、アイコたちがいる会社にも迫ってきます。アイコは手に入れたビデオを頼りに、迫りくるゾンビたちに立ち向かうことになります。

製作を巡るエピソード

企画当初は『ゾンビ学入門』というタイトルで、バラエティ番組のような対ゾンビマニュアルDVDとして構想されていました。しかし、キャスティングなどの事情により、そのコンセプトを物語の一部として取り込み、劇場用映画として製作される運びとなりました。
撮影は2011年に行われ、同年10月には完成披露試写会も開催されました。しかし、実際の劇場公開は2012年12月と、完成から時間を置いてからとなりました。この公開時期に関しては異例のエピソードが伝えられています。当初、霊媒師からの助言を受けて2年間延期する予定でしたが、ファンの熱い要望に応える形で1年前倒しでの公開が決定したとされています。結果的に、公開期間は2013年3月まで続きました。
また、本作におけるゾンビのユニークな設定として、ゾンビ化すると髪の毛の一部が逆立つという視覚的な特徴があります。

主要キャスト

吉村アイコ：矢島舞美
橋本トモジ：宮崎吐夢
ヤスデ：鳥居みゆき
カナブン（金沢文子）：中島早貴
宇津瀬ミツオ：大堀こういち
真佐クル世：菅野麻由
宅配便の男：河合龍之介

主要スタッフ

監督：村上賢司
脚本：河井克夫
特殊造形監修：西村喜廣
製作：キングレコード、日本出版販売
制作プロダクション：ビデオプランニング

音楽

主題歌：「世界一HAPPYな女の子」℃-ute
挿入歌：「ゾンビ節」カナブン（中島早貴）
* 挿入曲：「Put in Action」戸梶圭太

公開・上映情報

本作は2012年12月29日から東京のユーロスペースを皮切りに、名古屋、大阪、仙台など国内各地の劇場で順次公開されました。また、海外の映画祭でも上映されており、2012年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭、シッチェス・カタロニア国際映画祭、メルボルンMONSTER FESTなどで上映機会を得ています。

ビデオグラム

Blu-rayとDVDが2013年4月10日に発売されています。特典映像として、劇場予告編、メイキング映像、舞台挨拶映像、さらには杉作J太郎のイメージビデオや監督・脚本家によるオーディオコメンタリーなどが収録されました。

ユニークな設定とコメディ要素で描かれる『ゾンビデオ』は、従来のゾンビ映画とは一味違ったエンターテインメント作品として、一部で熱狂的な支持を集めています。

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