タイガー (巡洋戦艦)

タイガー (HMS Tiger) の概要

HMSタイガーは、第一次世界大戦中にイギリス海軍で運用される巡洋戦艦です。1911年度の計画に基づいて建造され、1914年に就役しました。この艦は、日本海軍の金剛型巡洋戦艦と外見が似ていることからその改良型とも考えられがちですが、実際には直接の関係はありません。タイガーは、特にライオン級巡洋戦艦と同じ設計が多く見られる艦であり、複数の独自の設計面を持っています。

建造の背景

タイガーは、スコットランドのクライドバンク造船所で1913年に進水し、その後1914年10月に完成しました。日本の金剛型巡洋戦艦に刺激された設計の変更によって、艦の後方火力を大幅に強化しました。最初の計画ではライオン級の4番艦として位置付けられていましたが、競合艦と釣り合いを取るためにボイラーや機関の配置を見直すことにより、より効果的な射程を確保しました。

艦形と装甲

タイガーは長船首楼型の船体設計が特徴で、艦首部分には装甲が施されています。また、主砲塔が前方に2基、後方に1基ずつ配置されており、火力の向上を図っています。不気味な4基の主砲塔は、戦艦の火力を確保するのに役立ちましたが、同時に防御力にも脆弱性を抱えていました。

武装の詳細

タイガーの主砲にはMark 5型34.3cm（45口径）砲が搭載され、最大射程が21,710メートルと迫力のあるものでした。副砲に関しては、より軽量の15.2cm速射砲と小型高角砲が配備され、対航空機や対駆逐艦の防御力を高めました。特に、高角砲は第一次世界大戦以降の航空機攻撃を意識して搭載されています。

戦歴

タイガーは1914年に就役し、翌年にはドッガー・バンク海戦に参加しました。この戦いでは命中弾を受け、10名の乗員が命を落としましたが、225発の砲撃を行いました。1916年のユトランド沖海戦ではドイツ艦隊との激しい戦闘に突入。彼女は多くの攻撃を受けましたが、最終的には艦を守り抜きました。この戦いでは、特にQ砲塔に与えられた損害が大きく、多くの乗員が影響を受けました。

その後もタイガーは艦隊の一員として第2次ヘリゴランド・バイト海戦に参加し、1941年まで活躍しましたが、常に新たな艦艇との競争の中で立ち位置を模索していました。1919年から1922年にかけては大西洋艦隊に編入され、その後の軍縮条約の影響を受けて1941年に除籍されました。最終的に1932年には解体される運命を迎えますが、その間、多くの重要な海戦に参加し、イギリス海軍の一翼を担った艦艇として歴史に名を刻みました。

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