タイガース

「タイガース（Tigers）」という言葉は、英語で動物の「トラ（Tiger）」の複数形にあたります。英語圏での本来の発音は「タイガーズ」に近いとされますが、日本では一般的に「タイガース」と表記され、そのように発音されることが広く定着しています。この名称は、トラが持つ勇猛さや力強さといったイメージから、多くの組織やチームのシンボルとして採用されています。

特にスポーツの世界でこの名前を持つチームが多く存在します。

野球チーム

最も多くの例が見られるのはプロ野球界です。北米においては、アメリカ合衆国のプロ野球リーグであるメジャーリーグベースボール（MLB）に所属するデトロイト・タイガースが、長い歴史を持つ球団として知られています。

日本においては、日本野球機構（NPB）セントラル・リーグに所属する阪神タイガースが、国内プロ野球チームの一つとして非常に高い知名度を持ち、多くのファンに支持されています。

アジア各国にも、「タイガース」またはそれに類する名称を持つプロ野球チームが存在します。韓国野球委員会（KBO）の起亜タイガース（기아 타이거즈）、中国野球リーグ（CBL）の北京タイガース（北京猛虎）などが挙げられます。台湾では、かつて中華職業棒球大聯盟に三商タイガース（三商虎）という球団が加盟していました。

アジア以外の地域にも、この名称を持つチームがあります。フィリピンのベースボールフィリピンのアラバン・タイガースや、かつてイスラエルのイスラエル野球リーグに存在したネタニヤ・タイガースなどです。

また、ラテンアメリカでも「ティグレス（Tigres）」というスペイン語形の名称で多くのプロ野球チームが存在します。メキシコのリーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボルのティグレス・デ・キンタナロー（キンタナロー・タイガース）、ドミニカ共和国のリーガ・ドミニカーナ・デ・ベイスボル・インベルナルのティグレス・デル・リセイ（リセイ・タイガース）、ベネズエラのリーガ・ベネソラーナ・デ・ベイスボル・プロフェシオナルのティグレス・デ・アラグア（アラグア・タイガース）、キューバのセリエ・ナシオナル・デ・ベイスボルのティグレス・デ・シエゴ・デ・アビラ（シエゴ・デ・アビラ・タイガース）など、各国を代表するチームに見られます。

アメリカ合衆国の大学スポーツ

アメリカ合衆国の大学スポーツにおいても、「タイガース」は多くの大学のスポーツチームの愛称として採用されています。これは、カレッジスポーツにおいてチームの個性を表すスクールマスコットとして、トラが人気であることに起因します。主要な大学としては、オーバーン大学、クレムソン大学、グランブリング州立大学、ルイジアナ州立大学（LSU）、メンフィス大学、ミズーリ大学コロンビア校、プリンストン大学などが、それぞれのスポーツチームを「タイガース」と呼称し、様々な競技で活動しています。

その他スポーツ分野

野球や大学スポーツ以外でも、「タイガース」の名称は様々なスポーツ分野で見られます。ラグビーユニオンにおいては、イングランドのプロリーグであるギネス・プレミアシップに所属するレスター・タイガースが著名なチームです。バスケットボールでは、オーストラリアのプロバスケットボールチームであるメルボルン・ユナイテッドが、かつてメルボルン・タイガースという名称で活動していました。アメリカンフットボールの分野でも、かつてブルックリン・タイガースというチームが存在しました。さらに、日本のプロレス界では、プロレスラーの丸山敦選手が、大阪プロレス所属時代にタイガースマスクというリングネームを使用していました。

その他の例

スポーツ分野以外にも、「タイガース」という名称は様々な用途で使用されています。芸能界では、日本のお笑いトリオとして吉本興業に所属する「タイガース」がいます。また、かつて日本のポピュラー音楽シーンで一時代を築いたグループ・サウンズ・バンドに「ザ・タイガース」がいます。企業名としては、自動車部品や樹脂製品などを製造するタイガースポリマー株式会社が存在します。歴史的な例としては、第二次世界大戦中の日中戦争において、中国を支援するために編成されたアメリカ合衆国義勇軍の航空部隊が「フライング・タイガース」として知られています。

関連項目

このように、「タイガース」という言葉は、その勇猛なイメージから多岐にわたる組織やチームの名称として世界中で使用されています。そのため、文脈によって指す対象が大きく異なる場合があり、特定の「タイガー」については「タイガー (曖昧さ回避)」の項目も参照すると、より詳細な情報が得られる場合があります。

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