タイガー・エレクトロニクス

タイガー・エレクトロニクス：電子玩具のパイオニア

タイガー・エレクトロニクスは、1978年、ランディ・リスマンとロジャー・シフマンによってイリノイ州バーノンヒルズに設立されたアメリカの玩具メーカーです。当初はアナログ玩具を製造していましたが、すぐに電子ゲームや教育玩具へと事業を拡大。1980年代には、Kマートを通じて世界的に販売された子供向けコンピューター「K28 Tiger's Talking Learning Computer」や、様々な電子ゲームをリリースし、大きな成功を収めました。当時としては斬新な『ロボコップ』や『ターミネーター』といった映画の版権を用いた電子ゲームも展開していました。

1990年代に入ると、携帯型カセットコンポ『Talkboy』が映画『ホーム・アローン2』への登場も後押しし大ヒット商品となります。この他、『Brain Warp』『Brain Shift』といった知育玩具や光線銃『Lazer Tag』、人気パズルゲーム『ライツアウト』など、数々のヒット商品を生み出しました。1995年にはテキサス・インスツルメンツの玩具部門を買収し、更なる事業拡大を図ります。

タイガー・エレクトロニクスの歴史における大きな転換期となったのは、1998年のハズブロへの買収です。ハズブロは、当時開発中だった革新的な電子ペット『ファービー』に注目し、タイガーを買収。ハズブロの強力なマーケティング力の下、ファービーは1998年のホリデーシーズンから1999年にかけて空前の大ヒットを記録しました。また、リズムゲーム玩具『Bop It』や、たまごっちに対抗する電子ペット『Giga Pets』などもヒット商品となり、タイガー・エレクトロニクスは、ハズブロ傘下においても、玩具業界における存在感を示し続けました。

2000年代に入ると、Yahoo!ブランドの電子玩具の製造や、音楽に合わせて踊る電子ペット『I-Dog』、家庭用プロジェクター『ZoomBox』といった新しいデジタル玩具を開発・販売。また、ファービーの技術を応用したよりリアルな電子ペット『FurReal』もリリースされ、2012年にはファービーの新モデルが登場するなど、常に時代の変化に対応した製品開発を続けています。

タイガー・エレクトロニクスは、LCD画面を用いた携帯型ゲーム機の開発でも知られています。小型化された腕時計型のゲーム機は時計とアラーム機能も備え、携帯性の高さを重視した製品でした。家庭用ゲーム機にも挑戦し、1995年にはカートリッジ交換式の『R-Zone』を発売しましたが、これは商業的には成功しませんでした。1997年には、ゲームボーイに対抗する携帯型ゲーム機『game.com』をリリースしましたが、これも市場での成功には至りませんでした。

タイガー・エレクトロニクスは、数多くの版権ゲームを制作したことで有名です。映画やアニメ、人気ゲームシリーズなど様々なキャラクターを用いた電子ゲームを開発、販売し、その中には『スター・ウォーズ』、『スタートレック』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』といった人気IPも含まれます。これら版権ゲームは、タイガー・エレクトロニクスの事業を支える重要な柱でした。

セガとの提携関係もあり、日本市場においてはセガからタイガーの電子ゲームが販売されたり、北米ではセガのゲームがタイガーの電子ゲームに移植されたりなど、両社間の緊密な連携が見られました。今日ではハズブロの一部門として、その歴史と経験を活かし、新たな時代における玩具開発に貢献していると言えるでしょう。

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