タイガー級巡洋艦

タイガー級巡洋艦

タイガー級巡洋艦は、イギリス海軍における巡洋艦の形式の一つで、もともとはスイフトシュア級軽巡洋艦の進化型として設計されていますが、その設計には複雑な歴史があります。この艦級は、最初に計画されたのは1941年度の補正計画で、その際に「ディフェンス」「シュパーブ」「タイガー」の3隻が本級に分類されました。また、当初はスウィフトシュア級に属する予定だった「ベレロフォン」も、本級に改修されることとなります。

しかし、1941年度計画の進展に伴い、スウィフトシュア級としての計画は中断され、タイガー級の設計に基づいて建造されることが決まりました。その後、様々な艦名が変更され、最終的には「タイガー」が艦級の主艦名として定着しました。

第二次世界大戦が終結した後、タイガー級巡洋艦の設計変更が検討されましたが、建造は滞り、「シュパーブ」以外の艦が保存状態に置かれました。同年、造船所のリソースが他の空母に配分されたため、1946年には建造作業が大幅に遅延してしまいました。

設計の特徴

タイガー級は性能的にスウィフトシュア級を基にしつつも、船体の幅が拡大され、水線付近には4インチの装甲が施されています。機関部分はフィジー級と同様のスタイルで、アドミラルティ式ボイラーを利用し、非常に高い出力を誇ります。従来よりも高精度な制御装置が導入されたことも特徴です。

主砲には50口径15.2センチの砲を搭載し、強力な対空兵器も装備されています。また、戦間期の設計を踏襲した上で、後方布陣が新たな設計とされている点にも注目です。

防空巡洋艦への改装

1947年には、残存するタイガー級の艦船の有用性が再評価され、防空巡洋艦として新たに設計変更されることが決定されました。シースラグミサイルの導入が遅れている中、これらは次世代の防空力を兼ね備えたタイプとして期待されました。

新たに改修された防空巡洋艦は、火力の向上とともに新型の対空砲も装備され、艦艇の指揮・統制能力の強化が目指されました。特に、戦闘指揮所や情報処理装置の導入によって、艦の戦力が大幅に向上されています。

ヘリコプター巡洋艦へと進化

また、1950年代末からは護衛巡洋艦の計画が始動し、タイガー級にはヘリコプター巡洋艦としての新たな役割が付与されることになりました。この計画では、ヘリコプターの運用を行えるように大規模な改修が加えられ、艦内には格納庫や発着デッキが設けられました。改修後にはウェストランド ウェセックスやシーキングの運用が可能となり、艦隊の防空ミッションに貢献しました。

最終的には、タイガー級の艦は1950年代から1970年代にかけて多様な任務を遂行しましたが、1980年代に入るとその多くが除籍されました。艦級の多様な役割には、設計の柔軟性と時代に応じた進化の歴史が色濃く反映されています。

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