タイムリー (コンビニエンスストア)

株式会社タイムリーの概要

株式会社タイムリーは、日本の中部地方に位置する岐阜県高山市を本拠地とし、かつて存在していたコンビニエンスストアチェーンです。岐阜県の飛騨地方を中心に、周辺の美濃地方や愛知県、三重県の一部、さらには長野県や富山県、和歌山県、福井県、石川県、徳島県などに展開し、170店舗以上の店舗を持つまでに成長しました。業界内では中堅の位置を占め、店舗数で18位という実績を誇っていました。

出店背景と初期の特徴

タイムリーの初期は、黄色の三角屋根と犬のキャラクター「ベンリー」をあしらった看板で多くの旅行者を驚かせました。しかし、この独特な配色は、別のコンビニエンスストアでは見られないものであり、店舗と認識されづらい一面もありました。1998年には、山崎製パンが資本参加し、グループ傘下に入ったことで、安定した配送システムを確保しました。この加盟により、看板やロゴが赤を基調としたデザインに変更され、デイリーヤマザキと共通の商品も取り扱うようになりました。これに伴い、岐阜県にデイリーヤマザキを出店しないという約束が結ばれました。

店舗数の推移

タイムリーは1990年代後半には159店舗を運営し、2000年時点では151店舗を有していましたが、大手チェーンの進出により人々が流れ、一時は78店舗まで減少しました。最終的には、2008年11月に山崎製パン系のデイリーヤマザキに事業譲渡され、全店舗名が「デイリーヤマザキ」に変更されることとなりました。これにより、「タイムリー」はその名を消すこととなりますが、転換された店舗には、元の看板が残るところもありました。

独自のサービスと特徴

タイムリーの特徴の一つとして、客層の主に30～40代の男性の利用が目立っていた点があります。作業員や営業マン、トラック配送員といった利用者が多く、主にソフトドリンクやお米の軽食がよく購入されていました。また、スキー場のリフト券や釣り具、料場入場証などを販売するなど、地域に根ざした多様な商品展開も行っていました。

多角的なサービス展開の中で、「クリーニングサービス」や「イートインスペース」の提供を行うなど、大手チェーンに負けない戦略を紹介していました。しかし、デイリーヤマザキへの移行に伴い、それらの多くのサービスは終了したか、縮小されることになりました。

沿革と出来事

1984年に酒店経営を元に創業し、1989年に株式会社タイムリーを設立。1993年の合併後には店舗数を伸ばし、1998年に山崎製パンとの関係が築かれました。2008年の事業譲渡は、経営の大きな転機となり、その後元タイムリーの店舗の数は減少する一方で、現在もなお「デイリーヤマザキ」または「ニューヤマザキデイリーストア」として存在し続けています。今では、元タイムリーの店舗は36店ほどが運営されており、かつての面影を残した施設として地域に根ざしています。

終わりに

タイムリーの歩みは、岐阜県内外の地域社会に多くの影響を与えました。今なおその影響は残っており、かつての店舗の名残を大切にしながら、現代の流通業界に適応した形で進化を遂げていることが伺えます。

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