タイラー・ギルバート

タイラー・ギルバート：異色の経歴を持つ左腕投手

タイラー・ギルバート（Tyler Gilbert, 1993年12月22日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクルーズ出身のプロ野球選手。MLBのシカゴ・ホワイトソックスに所属する左投左打の投手です。

プロ入りからメジャーデビューまで

2015年のMLBドラフト6巡目（全体174位）でフィラデルフィア・フィリーズから指名され、プロとしてのキャリアをスタートさせました。しかし、2019年まで傘下のマイナーチームでプレーし、メジャー昇格の機会には恵まれませんでした。

2020年2月15日、カイル・ガーリックとのトレードでロサンゼルス・ドジャースへ移籍。しかし、この年は新型コロナウイルスの影響でマイナーリーグの試合が開催されず、公式戦への出場はありませんでした。オフにはルール・ファイブ・ドラフトでアリゾナ・ダイヤモンドバックスから指名され、新たなチームで再起を図ることになります。

メジャーデビューとノーヒットノーラン達成

2021年8月3日、救援登板でついにメジャーデビューを果たします。そして、同年8月14日、本拠地チェイス・フィールドで行われたサンディエゴ・パドレス戦でメジャー初先発の機会を得ると、見事ノーヒットノーランを達成し、メジャー初勝利を記録するという快挙を成し遂げました。

メジャー初先発でのノーヒットノーラン達成は、1953年のボボ・ホロマン以来、史上4人目の記録であり、ダイヤモンドバックスの球団史上では2010年のエドウィン・ジャクソン以来、史上3人目。また、チェイス・フィールドでは球団史上初の快挙となりました。この活躍が評価され、8月16日にはプレイヤー・オブ・ザ・ウィークを初受賞しています。

移籍と新たな挑戦

2023年11月6日にFAとなると、2024年1月17日にシンシナティ・レッズとマイナー契約を締結。しかし、同年5月7日には金銭トレードで古巣フィラデルフィア・フィリーズへ復帰します。AAA級リーハイバレー・アイアンピッグスでプレーを続け、8月17日にメジャー契約を結びましたが、同年はわずか6試合の登板に留まりました。オフの12月22日にはDFAとなり、再びチームを離れることになります。

2025年1月1日、アーロン・コンブスとのトレードでシカゴ・ホワイトソックスへ移籍。新たなチームで再びメジャーの舞台を目指すことになりました。

プレースタイルと評価

タイラー・ギルバートは、制球力と緩急を織り交ぜた投球が持ち味の左腕投手です。特に、2021年のノーヒットノーラン達成は、彼のキャリアにおけるハイライトと言えるでしょう。度重なる移籍を経験しながらも、常に前向きに挑戦を続ける姿勢は、多くのファンに感動を与えています。今後の活躍にも期待がかかる、注目の選手です。

受賞歴・記録

プレイヤー・オブ・ザ・ウィーク：1回（2021年8月16日）
ノーヒットノーラン：1回（2021年8月14日、対サンディエゴ・パドレス戦）

背番号

49（2021年 - 2023年）
40（2024年）

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