タイ・ケリー

タイラー・パトリック・ケリー：多才なユーティリティプレイヤーの軌跡

タイラー・パトリック・ケリー（Tyler Patrick Kelly、1988年7月20日生まれ）は、アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身の元プロ野球選手です。右投両打のユーティリティプレイヤーとして、内外野の複数のポジションをこなしました。愛称はTK。

プロ入りからマリナーズ傘下時代

2009年のMLBドラフトでボルチモア・オリオールズから13巡目（全体386位）で指名されプロ入り。オリオールズ傘下では、A-級からAA級まで着実にステップアップし、ユーティリティプレイヤーとして活躍しました。2013年6月にはエリック・テイムズとのトレードでシアトル・マリナーズへ移籍。マリナーズ傘下AAA級タコマ・レイニアーズで好成績を残し、マリナーズ傘下のオールスターチームに二塁手として2年連続で選出されるなど、高い評価を得ました。

カージナルス、ブルージェイズ傘下時代

2014年11月にはセントルイス・カージナルスへトレードされ、メジャー契約を結び40人枠入りを果たします。しかし、メジャー昇格の機会を得られず、トロント・ブルージェイズへ移籍。ブルージェイズ傘下AAA級バッファロー・バイソンズでプレーしましたが、再びDFAとなり、FAとなりました。

メッツでのメジャーデビュー

2015年11月、ニューヨーク・メッツとマイナー契約。2016年にはAAA級ラスベガス・フィフティワンズで好成績を挙げ、メジャー昇格を果たします。5月24日のワシントン・ナショナルズ戦でメジャーデビュー。5月30日のシカゴ・ホワイトソックス戦でメジャー初安打を記録し、6月8日のピッツバーグ・パイレーツ戦ではメジャー初本塁打を放ちました。メッツでは内外野の複数ポジションを守り、ユーティリティプレイヤーとしてチームに貢献しました。選球眼の良さも光り、限られた出場機会の中で存在感を示しました。

WBCイスラエル代表、ブルージェイズ復帰、フィリーズ時代

2017年には、ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）のイスラエル代表に選出され、本大会に出場。その後、ブルージェイズへ復帰し、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍。2球団でプレーしましたが、シーズン終了後にFAとなりました。

メッツ復帰、エンゼルス傘下時代、現役復帰

2018年、メッツとマイナー契約を結び、AAA級ラスベガスでプレー。再びメジャー契約を結びましたが、DFAとなり、FAとなります。2019年にはロサンゼルス・エンゼルスとマイナー契約を結びましたが、AAA級ソルトレイク・ビーズでプレー後、現役引退を発表しました。

2021年には独立リーグで現役復帰。その後、マリナーズとマイナー契約を結びAAA級タコマでプレーしましたが、自由契約となります。2022年にはドジャースとマイナー契約を結びましたが、メジャー昇格は叶いませんでした。

現役引退とその後

2023年のWBCイスラエル代表を最後に現役を引退。引退後は、シアトル・マリナーズ傘下AAA級タコマ・レイニアーズのコーチに就任し、後進の育成に力を注いでいます。

プレースタイルと評価

タイラー・ケリーは、内外野の複数ポジションをこなせるユーティリティプレイヤーとして、チームに貢献しました。打撃では、シュアな打撃と選球眼の良さが持ち味。守備では、安定した守備力で内外野をカバーしました。また、WBCイスラエル代表としても活躍するなど、国際経験も豊富です。引退後はコーチとして、その経験と知識を若い選手たちに伝えています。

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