タイ気象局

タイ気象局について

タイ気象局（Thai Meteorological Department）は、タイ王国内閣デジタル経済社会省に所属する政府機関であり、気象観測、予報、災害情報の発令を主な任務としています。1942年に設置されて以来、タイの気象学を牽引し、国民生活と社会経済活動を支える重要な役割を果たしています。

概要

タイ気象局は、気象情報の収集、分析、研究を行うとともに、天気予報、地震、高波などの自然現象に関する情報提供や警報・注意報の発令を担当しています。気候変動や環境問題といった地球規模の課題にも積極的に取り組み、多国間協力も推進しています。情報技術・通信省の局レベル組織として、高度な専門性と技術力を活かし、国民の安全と安心に貢献しています。

歴史

タイにおける気象学の歴史は、1906年にチュムポンケートウドムサック親王が気象学の研究を開始したことに始まります。

1923年：農務省灌漑局に気象学・統計課が設置され、組織的な気象観測が始まりました。
1936年：タイ王国海軍水路局に気象部が設置され、気象観測体制が強化されました。
1942年：気象局として独立し、バンコクに庁舎が建設されました。
1962年：首相府に移管。
1972年：通信省（現在のデジタル経済社会省）に移管。
1989年：現在の新庁舎が建設されました。
2002年：情報技術・通信省（現・デジタル経済社会省）に移管され、現在に至ります。

組織

タイ気象局は、以下の内部部局で構成されています。

局総務部
気象情報部
気象技術機器部
気象予報部
気象予報開発部
航空気象部
運輸気象部
気象監視警報部
地震監視部

また、全国を4つの管区に分け、各地域に気象センターと観測所を設置しています。観測所の下には、複数の下位観測所や農業気象観測所、雨量観測所が置かれ、きめ細やかな気象観測を行っています。

地方支部局

北部
北部気象センター
メーホーンソーン気象観測所
チェンラーイ気象観測所
パヤオ気象観測所
ラムパーン気象観測所
ラムプーン気象観測所
プレー気象観測所
ナーン気象観測所
ターク気象観測所
ペチャッブーン気象観測所
チェンマイ気象観測所
ガムペーンペット気象観測所
スコータイ気象観測所
ピチット気象観測所

東北部
東北部気象センター
ルーイ気象観測所
ウドンターニー気象観測所
ナコーンパノム気象観測所
サコンナコーン気象観測所
ノーンカーイ気象観測所
ムクダーハーン気象観測所
コーンケーン気象観測所
ナコーンラーチャシーマー気象観測所
ローイエット気象観測所
スリン気象観測所
チャイプーン気象観測所

南東部
南東部気象センター
ペッチャブリー気象観測所
フアヒン気象観測所
プラチュワップキーリーカン気象観測所
チュムポーン気象観測所
スラート気象観測所
ゴサムイ気象観測所
ナコーンシー気象観測所
パッターニー気象観測所
ナラーティワート気象観測所

南西部
南西部気象センター
プーケット空港気象観測所
プーケット気象観測所
パンガー気象観測所
ラノーン気象観測所
トラン気象観測所
サトゥーン気象観測所
グラビー気象観測所

気象学学習博物館

タイ気象局には、気象学を学べる博物館が併設されており、入場無料で一般公開されています。開館時間は10時から16時までで、日曜・祝日は休館です。

タイ気象局の用語と基準

タイ気象局では、気温と降水量に関して独自の用語と基準を設けています。

気温

とても寒い：日最低気温が8度未満
寒い：日最低気温が8度以上16度未満
涼しい：日最低気温が16度以上22.9度未満
暑い：日最高気温が35度以上40度未満
とても暑い：日最高気温が40度以上

降水

雨：直径0.5mm以上の雨滴
弱い雨：24時間降雨量が0.1mm超10mm以下、または1時間雨量が0.5mm以下
並みの雨：24時間降雨量が10mm超35mm以下、または1時間雨量が5mm超25mm以下
強い雨：24時間降雨量が35mm超90mm以下、または1時間雨量が25mm超50mm以下
とても強い雨：24時間降雨量が90mm超、または1時間雨量が50mm超
猛烈な雨：1時間雨量が90mm超

特殊気象

マンゴーシャワー：1月から3月頃のマンゴーの花の時期に降る小ぬか雨
雨季：5月中頃から10月中頃まで（地域によって異なる）
乾季：10月中頃から5月中頃まで（地域によって異なる）


タイ気象局は、高度な技術と専門知識を駆使し、気象情報の発信と災害対策を通じて、タイ国民の安全と社会経済の発展に貢献しています。

関連情報

デジタル経済社会省

外部リンク

タイ気象局公式ホームページ（タイ語）
* タイ気象局公式ホームページ（英語）

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