タカラ (玩具メーカー)

株式会社タカラの概要

株式会社タカラ（英: Takara Co., Ltd.）は、1953年に設立された日本の玩具メーカーである。本社は東京都葛飾区に位置し、創業以来、日本国内で数多くのヒット商品を生み出してきた。2006年、同じ業種のトミーと合併し、株式会社タカラトミーとなった。

タカラの社名は創業地である葛飾区の本田宝木塚町に由来し、コーポレートスローガンには「遊びは文化」が採用されていた。

主な製品と業績

タカラは、創業以来、ボードゲームや伝統的な玩具に注力しており、自社の主力商品には「ダッコちゃん」や「リカちゃん」が含まれている。特に「リカちゃん」は女児向けの着せ替え人形として長寿にわたり愛され続け、女児玩具市場における最大手として名を馳せていた。一方で、男児向け商品も人気を博しており、「チョロQ」や「ビーダマン」などのブランドも成功を収めている。

1999年には、「ベイブレード」が大ヒットし、男児向け玩具市場でバンダイを超える存在となったが、一方で海外展開の失敗が経営に影響を与えることとなった。2000年には、ゲームメーカーのコナミから第三者割当増資を受け、コナミグループの一員となるものの、その後も経営難に苦しんだ。

自動車業界への挑戦と再編

2002年、当時の社長であった佐藤慶太は、自社を代表する「チョロQ」を元にした電気自動車「Q-CAR」を発表し、玩具メーカーとしては異例の自動車業界への進出を試みた。しかし、十分なノウハウがなかったため、期待された販売台数を達成できず、早期撤退を余儀なくされた。

その後も経営は回復せず、2005年にはコナミグループから独立しインデックスグループの傘下に入った。製品と業績の安定を目指し、コンピュータゲーム事業を子会社のアトラスへ譲渡するなどの組織改革を進めた。

合併と新たな展開

2006年3月には、同業のトミーと合併し、タカラトミーが誕生した。この合併によって、トミーが存続会社となり、社長には富山幹太郎が就任した。合併後の新社名は、国内外でのブランディングを見越したものとなり、日本国外ではトミーの知名度が高いため、英文商号は「TOMY COMPANY,LTD」となった。

タカラトミーでは、テレビ放送に先駆けて玩具販売から利益を得るという、いわゆる「タカラ的な手法」を採用することが多く、これにより堅実な経営手法を継続している。

ブランドイメージと広告戦略

タカラは、広告戦略においても独自のアプローチを取っており、ダッコちゃんのブランドアイコンや、コーポレートスローガン「遊びは文化」を前面に押し出していた。CMにおいては、一貫したロゴやジングルが特徴であり、視聴者に強烈な印象を与える結果を生んでいた。1989年以降は、サウンドロゴの位置づけが変化し、さまざまな商品に新しいブランドロゴが施され続けている。

総括

1976年以降、タカラは玩具業界における強力なプレイヤーのひとつとして位置づけられており、歴史の中で数々の名作を世に送り出してきた。タカラトミーとして一つの大きな企業体となった現在でも、玩具作りへの情熱は脈々と受け継がれている。結果として、数十年にわたり多くの子どもたちに夢と楽しみを与え続けている。

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