タクトオブマジック

ゲーム概要

『タクトオブマジック』は、2009年5月21日に任天堂から発売されたWii専用のゲームソフトです。開発はタイトーが担当し、ジャンルは魔法アクションストラテジーに分類されます。本作は、2006年にタイトーから発売されたニンテンドーDS用ソフト『ロストマジック』の実質的な続編と位置づけられます。ただし、ストーリーや世界観に直接的な関連はなく、前作の基本的な設定やゲームシステムを踏襲しつつ、新たな要素が多数盛り込まれています。前作に登場した一部のモンスターが引き続き登場する点も特徴です。

ハードが携帯機から据え置き機のWiiへと移行したことで、グラフィックは3D化され、演出も大幅に強化されました。また、操作インターフェースもDSのタッチスクリーンからWiiリモコンとヌンチャクに変更され、これに合わせて操作方法やゲームシステムが最適化されています。キャラクターイラストは前作同様に佐藤好春氏が担当し、音楽は元ZUNTATAの古川典裕氏が手がけています。

ストーリー

物語の舞台は、四方を海に囲まれた国「エンタール」。この地には、古来より魔法の力「マナ」が満ち溢れていました。かつて光の神は、人々に魔法を使うための道具として「杖（タクト）」と「魔手（ガントレット）」を授け、「神の言葉（ルーン）」を伝えたとされています。神の力を得た人々は「魔法使い（キャスター）」と呼ばれ、この地に「エンタール王国」を建国しました。光の神の加護を受けたエンタール王国は、1000年もの間、平和で豊かな時代を築いてきました。しかし、時が経つにつれて、人々はルーンを争いの道具として使うようになり、王国ではキャスターによる内乱が発生し、国王が命を落とします。その後、「神聖エンタール帝国」を名乗る謎の皇帝が台頭し、圧倒的な闇の力で王国を支配しようとしています。

主人公のオーヴィルは、エンタールの片田舎に住む17歳の少年です。彼の誕生日を祝うために、幼馴染のシャーロットと共に友人たちの住むベータ村へ向かいますが、そこで帝国軍による村の焼き討ちを目撃します。この出来事がきっかけとなり、オーヴィルの秘められた魔法の力が開花し、物語が動き始めます。

ゲームシステム

本作は、戦術系リアルタイムストラテジーとアクションRPGの要素を融合させた、独自のゲームシステムを採用しています。プレイヤーは主人公のキャスター、オーヴィルとなり、魔法を駆使しながら仲間と共にエンタール帝国軍や他のキャスター達と戦います。ゲームはステージクリア形式で進行し、各ステージでは敵の全滅や拠点の占領など、異なる目的を達成することでクリアとなります。

魔法の発動は、Wiiリモコンを使って画面にルーンと呼ばれる特定の記号を描くことで行います。ゲーム開始時は限られたルーンしか使えませんが、物語を進めることで新しいルーンを習得し、使用できる魔法の種類が増えていきます。また、ダブルーンと呼ばれるルーンの組み合わせを活用することで、さらに強力な魔法を使用することが可能になります。最終的には100種類を超える魔法を使いこなせるようになります。

戦闘では、プレイヤーは事前に選択した3つの味方ユニットを指揮します。味方ユニットはキャスターを守りながら敵と戦ったり、マップ上の施設を制圧したりする役割を担います。ユニットにはガーディアンとモンスターの2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。

戦闘はリアルタイムで進行するため、常に状況を把握し、適切な指示を出すことが重要になります。キャスターのHPが尽きたり、ステージごとに設定された敗北条件を満たすとゲームオーバーとなります。

戦闘システム詳細

魔法は、魔法陣を開き、リモコンでルーンを描き、魔法陣を閉じるという手順で発動します。ルーンを正確に描くことができないと魔法は発動しませんが、正確に描けた場合はクリティカルが発生し、習得したマナスキルに応じて魔法の威力や効果範囲が上昇します。魔法の種類は攻撃や回復だけでなく、防御壁の設置、地形の変化、罠の設置、味方の強化や敵への状態異常付与など、多岐にわたります。強力な魔法を使うためには、マップ上にあるマナゲートという施設を味方モンスターで占領する必要があります。

シングルーン

ルーンには、風、土、火、水の4つの基本属性と、それらの発展型である上級ルーンの計8種類が存在します。それぞれを描くことで8種類の魔法を発動できます。上級ルーンの使用には、マナゲートの占領が必要です。

ダブルーン

二つのルーンを組み合わせることで、より強力な魔法を発動することができます。これはストーリーがある程度進むと使用可能になります。ダブルーンを活用することで、8つのルーンから70種類以上の魔法が使用可能になります。1回目のルーンは魔法の特性を表し、2回目のルーンは魔法の属性を表します。基本ルーンのみを用いたダブルーンの使用には、マナゲート1つの占領が必要で、上級ルーンを含むものには、2つ以上のマナゲートの占領が必要です。

トリプルーン

3つのルーンを描くことで発動できる魔法です。通常のルーンと、トリプルーン専用のルーンを組み合わせて発動します。トリプルーンの魔法は非常に強力ですが、使用にはマナゲートの占領が必要で、さらに使用後に占領しているマナゲートを一つ失ってしまいます。

主要キャラクター

キャスター

オーヴィル：エンタール王国の第二王子。卓越した魔法の才能を持つ。
ロバート：風の賢者。オーヴィルの師。
ローラ：火の賢者。好戦的な性格。
テオドール：土の賢者。頑固で信念を曲げない。
ハータ：水の賢者。天才的なキャスターだが、無表情。
黒の魔手：謎の帝国軍キャスター。強力な魔法を操る。
イゴール：エンタール帝国の宰相。

ガーディアン

シャーロット：ハンナの娘。オーヴィルの幼馴染。暁の大聖の力を受け継ぐ。
ソーティー：剣士。ロバートのガーディアン。
コミント：ローラのガーディアン。明るい性格。
サミュエル：エルフ族の族長。弓の名手。
ウィルコ：ロバートのガーディアン。ウルフ族を憎んでいる。
エルロン：ローラのガーディアン。思慮深い性格。
グレン：ウルフ族の英雄。帝国側に与している。
ネヴィル：帝国軍のガーディアン。ずる賢い性格。
コルセア：グレンに仕えるウルフ族。

モンスター

ハッチエッグ：序盤に登場する雑魚モンスター。
ハコイヌ：中盤で仲間にすることができる。

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