タスクマスター (キャラクター)

タスクマスター

タスクマスター（Taskmaster）こと、アンソニー・“トニー”・マスターズ（Anthony "Tony" Masters）は、マーベル・コミックに登場する異色のキャラクターです。特筆すべきは、彼の持つ「写真的反射神経」と呼ばれる能力。これは、一度見た相手の動きを完璧に記憶し、再現できるという驚異的なものです。

発行履歴

タスクマスターは、1980年5月のアベンジャーズ195号でデビューしました。その後、自身の限定シリーズや、エージェントX、アベンジャーズ：イニシアチブなどの作品で重要な役割を担い、2012年からはシークレットアベンジャーズの一員としても活躍しています。

キャラクター経歴

ニューヨーク市ブロンクス区出身とされるトニー・マスターズは、幼少の頃からその特異な能力を発揮していました。テレビで見たロープトリックをすぐに真似たり、アメフトの試合を見ただけでクォーターバックとしてプレイできるなど、その才能は目を見張るものがありました。

精神科医から「写真的反射神経」と名付けられたこの能力を活かし、彼は当初クライムファイターとしての道を検討しますが、最終的には金銭的な利益を優先し、プロの犯罪者となることを選びます。

ヒーローやヴィランの戦闘技術を分析し、自らのものとした彼は、犯罪者育成センターを設立。世界中の犯罪組織に人材を供給することで、巨万の富を築き上げようと目論みます。

白とオレンジ色のコスチュームに身を包み、頭蓋骨のマスクを被ったタスクマスターは、各地にクライムアカデミーを開設し、数々の凶悪犯を訓練。アベンジャーズをはじめとするヒーローたちと幾度となく対峙しました。

サーカスをアカデミーの隠れ蓑として利用していた時期もありましたが、政府のエージェントによって拘束され、投獄されます。しかし、超人活動委員会の策略により、ジョン・ウォーカーをキャプテン・アメリカとして訓練する代わりに、釈放されることになります。

タスクマスターは、クロスボーンズ、スパイダーウーマンなど、数多くのヴィランを育成。一方で、知能を下げる薬を投与した弟子たちをレッドスカルに差し出すなど、非道な行いも繰り返していました。

また、キャプテン・アメリカに成りすましてヒーローたちを欺こうとしたり、エージェンシーXにムーンナイト殺害を依頼されたりと、その活動は多岐にわたります。

シビル・ウォー勃発時には、政府に雇われサンダーボルツの一員として活動。しかし、インビジブル・ウーマンを攻撃したことで、ミスター・ファンタスティックの怒りを買い、意識不明の状態に陥ってしまいます。

能力・弱点

タスクマスターは、コルチゾールのプライマーを投与することで、知識吸収能力を向上させています。これにより、人間の動きを即座にコピーすることが可能になり、武道、剣術、射撃など、あらゆる戦闘技術をマスターしています。また、相手の攻撃を予測する能力も持ち合わせていますが、デッドプールのような予測不能な相手には通用しません。

しかし、この能力には代償が伴います。過度の使用は身体に大きな負担をかけ、短時間しか持続しません。さらに、プライマーの副作用として、重度の記憶喪失を引き起こし、個人的な記憶や経験を失ってしまうという弱点があります。

武装・ツール

タスクマスターは、長剣、キャプテン・アメリカの盾、弓矢など、様々な武器を使いこなします。また、デアデビルのビリークラブ、投げ縄、ヌンチャク、ダーツ、銃器なども所持しており、状況に応じて使い分けます。さらに、変装用のイメージ誘導プロジェクターも常備しています。

その他のバージョン

タスクマスターは、様々な作品で異なる設定や役割で登場しています。

エイジ・オブ・ウルトロン: ブラックパンサーやレッドハルクと協力してウルトロンを捕獲しようとするも、レッドハルクに殺害される。
ハウス・オブ・M: ブラザーフッドのメンバーとして登場。ミュータントを装っていたことが露見する。
* アルティメット・マーベル: フィリップ・ロクソンに雇われた傭兵として登場。

MCU版

マーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）では、アントニア・ドレイコフという女性キャラクターとして登場。オルガ・キュリレンコが演じています。

レッドルーム最強の戦力として、常にヘルメットで素顔を隠し、無機質な雰囲気を漂わせています。ナターシャ・ロマノフを苦しめる強敵として、その存在感を示しました。

その他のメディア

タスクマスターは、テレビアニメ、アニメ映画、ビデオゲームなど、様々なメディアで活躍しています。

脚注

[参考文献]『マーベル・アベンジャーズキャラクター事典』玄光社、2022年。

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