タバリー

タバリーについて

概要

タバリー（アラビア語: الطبري, Abū Ja‘far Muḥammad b. Jarīr al-Ṭabarī, 838年 - 923年）は、アッバース朝時代の著名なウラマーで、その業績は歴史学や神学、クルアーンの解釈学において重要な基盤を築きました。

生い立ち

タバリーはカスピ海南岸のタバリスターン地方のアーモルで生まれ、幼少期から才能を示しました。12歳で厳しい学問の道に進み、レイの地で勉強を続けました。彼は特に伝承学者イブン・フマイドから多くを学び、イスラームの初期史に関する知識を深めていきました。

その後、バグダード、メッカ、エジプトなどを訪れ、多くの著名な学者たちと交流を図りながら研究を進めました。特にシリア学派やマーリク学派、シャーフィイー学派の法学を学び、様々な視点からイスラーム法に対する独自の考えを形成していきました。

性格と人物像

タバリーは高潔で知識欲が旺盛な人物でした。彼は礼儀正しく、常に他者への配慮を忘れませんでした。また、ユーモアを持ち合わせており、弁論術にも秀でていました。健康にも気を使い、日々の生活を律することで長寿を全うしました。923年にバグダードで亡くなるまで、彼は自らの学問に真摯に取り組み続けました。

主要な業績

タバリーの業績は多岐にわたりますが、特に二つの著作が挙げられます。

1. 『諸使徒と諸王の歴史』（Ta'rīkh Rusul wa al-Mulūk）: 世界創造から始まり、915年までの歴史を網羅しており、アラブとムスリムの歴史に関しての詳細かつ正確な記録がなされています。これにより、彼の歴史書は後の時代における歴史学の基礎資料となりました。

2. 『クルアーン章句解釈に関する全解明』（Jāmi‘ al-Bayān ‘an ta'wīl āy al-Qurʾān）: タフスィール（クルアーンの解釈）における重要な著作で、文法的視点に基づいて詳細な解説が行われています。この作品は多くの後世の学者たちに引用され、評価されています。

タバリーはまた、預言者ムハンマドの友人たちに関する伝説を収集する作業も開始しましたが、これは未完に終わりました。

まとめ

タバリーの存在は、アッバース朝における学問の発展において欠かせないものでした。彼の著作は今なお研究の基盤として重宝されており、イスラームの歴史や法学、学識の発展に多大な影響を与えています。彼の業績は、後のイスラーム学者たちの指針となるべく、時代を超えて語り継がれています。

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