タマリロ

タマリロ（Solanum betaceum）

タマリロは、ナス科に属する果物で、南米の高地を原産とする魅力的な植物です。英語名ではTamarilloと呼ばれ、一般的には「木立ちトマト」とも言われます。この果物は、特に味や見た目がトマトに似ており、青みがかった果実が直径約2〜8cm程度のサイズに成長します。果実は新鮮な状態で食べられるほか、さまざまな調理法に活用されています。

特徴

タマリロは、最大で6メートルの高さに成長する常緑小木です。若木は根が浅いため風や霜に弱く、栽培する際には支柱を立てたり、マルチングを施すことが重要です。この木は樹齢2年目から実をつけ、3か月間で一家族分の果実を収穫できる能力があります。条件が良ければ、1年間で66kgの収量が期待できるとされています。また、収量を増やすためには、片側の根を切ることで木を傾けたり、主幹をせん定し横に枝を広げる手法が取られます。

分布

タマリロは、南米のアンデス山脈が主な生育場所で、ペルー、ボリビア、エクアドル、コロンビア、チリなどにて広く栽培されています。また、オセアニア地域ではニュージーランドやオーストラリア、南米ではアルゼンチン、ブラジル、ベネズエラなどでも見られます。特にニュージーランドとポルトガルでは商業的な栽培が推進されており、輸出も行っているため、国際的に広がりを見せています。オーストラリアでは1970年代から一部の地域でタマリロの栽培が始まりましたが、正式な栽培が始まったのは1996年以降です。

名称の由来

タマリロの名は、南米原産の木立ちトマトから派生し、1967年にニュージーランドでマーケティング目的で作られた名称です。タマリロという名前は、マオリ語の「tama」（リーダーを意味する）とスペイン語の「amarillo」（黄色を意味する）を組み合わせたもので、トマトとの差別化を図るために新たに創造されました。このようなネーミングはエキゾチックなイメージを持ちつつ、商品化を試みるニュージーランドの農業者の創意工夫の一環でもあります。

利用方法

タマリロの果実は非常に多様な料理に利用されます。熟した果実は生でそのまま食べることができ、場合によっては砂糖を加えたりすることがあります。また、サラダや煮込み料理、オランデーズソース、チャツネ、ピューレなどに加えられることもあり、その多様性は料理の幅を広げています。特にコロンビア、エクアドル、スマトラ地域では、果物を水や砂糖とともにジュースに加工することも一般的です。タマリロは、その風味と食材としての柔軟性から、さまざまな料理に利用される食材と言えるでしょう。

タマリロは、その独特な風味と多様な利用法から、ますます人気が高まっています。これからのシーズン、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

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