タリム油田

タリム油田

タリム油田は、中国新疆ウイグル自治区のタリム盆地に広がる油田群・ガス田群の総称です。広大な面積と油田群の規模の大きさから、将来的には個々の油田がそれぞれの名前で呼ばれるようになると考えられています。

歴史

1980年代後半、中国国内の石油事情の逼迫を背景に、タリム油田の本格的な探査が開始されました。確認埋蔵量は原油で60億トン、天然ガスで8兆立方メートルとされていますが、油田地帯が点在し、地質構造も複雑であるため、埋蔵量には大きな幅があると考えられています。

油田が存在する地域は、都市から砂漠の悪路を何日も進む必要のある、非常に劣悪な環境です。インフラはほとんど整備されておらず、イスラム教徒の独立運動などのカントリーリスクも高いため、外国資本は開発に関心を示しつつも、撤退する企業も少なくありませんでした。しかし、中国政府は国内事情から西部大開発プロジェクトや西気東輸プロジェクトなどを推進し、1990年代後半からパイプライン輸送道路などを次々と完成させ、開発に力を注いでいます。

開発状況

タリム油田開発の主体である中国石油天然気は、2006年までに天然ガスの総生産量が100億立方メートルに達したことを発表しました。また、2007年以降は、9つの鉱区で生産分与契約方式（探鉱と採掘は外国資本が行い、生産物の権益の最大51%を中国石油天然気側が保有する契約）による外国資本との共同開発を進めています。

タリム油田の開発は、中国のエネルギー自給率向上に大きく貢献していますが、同時に環境への影響や地域住民との関係など、多くの課題も抱えています。今後、持続可能な開発を進めていくためには、これらの課題に適切に対応していく必要があります。

関連項目

ジュンガル油田（近隣大型油田）
トゥハ油田（近隣大型油田）
* タリム沙漠公路

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