タリーズコーヒー

タリーズコーヒーの歴史と成長

タリーズコーヒー（Tully's Coffee Corporation）はアメリカ・ワシントン州シアトルに本拠を置くコーヒーチェーンで、1992年にトム・タリー・オキーフによって創業されました。創業当初からスターバックスと直接対抗する戦略をとり、同社の店舗の近くで出店することで急成長を遂げました。この戦略が功を奏し、タリーズはシアトルにおける3大カフェチェーンの一角を占めるようになりました。

その後、タリーズはアメリカ西海岸を中心に約200店舗を展開し、2006年に初の純益を計上するなど、業績の上昇が見られました。しかし、2007年の株式市場の暴落は同チェーンにとって大きな打撃となり、新規株式公開の計画は頓挫。その後、2009年にコーヒー豆の卸売業やブランド、焙煎事業をGreen Mountain Coffee Roastersに売却しましたが、収益の回復には至りませんでした。

2012年10月、タリーズは連邦倒産法第11章を申請し、事実上の倒産に至ります。翌年の2013年、タリーズは競売で47店舗を略920万ドルで落札されたが、その直後にのちの問題が続出し最終的に2018年に店舗を全て閉鎖しました。その後、タリーズという名前はコーヒー豆のブランド名としてのみ残り、アメリカ本社は消滅しました。

日本におけるタリーズコーヒー

タリーズコーヒーは、1997年に日本に進出しました。創業社長の松田公太がシアトルのタリーズと出会い、日本での営業権を獲得。彼は第一号店を東京都中央区銀座にオープンし、1998年にはタリーズコーヒージャパン株式会社を設立、代表取締役社長に就任します。その後、タリーズは日本での独自ブランドとしての地位を確立し、徐々に成長を遂げました。

タリーズコーヒーは、質の高いアラビカ種のコーヒー豆のみを使用し、手動のマシンによるスペシャリティコーヒーの提供にこだわっています。また、豊富なアイスクリームや食事メニュー、期間限定メニューなども取り入れ、多様な顧客層にアプローチしています。さらに、2003年以降、店舗内で絵本作品を販売するなどの社会貢献活動も行っています。

タリーズは、日本市場において競合店のスターバックスとは異なり、25歳以上の顧客を主要ターゲットとし、内装やメニューにもこだわりを持っています。喫煙席を備えた店舗もあり、完全分煙を実施しているため、さまざまな顧客ニーズに応じた環境を提供しています。

現在、タリーズコーヒーは全47都道府県に展開し、2016年には638店舗へと成長しました。そして、2020年には747店舗を達成し、再びコーヒーチェーン業界の先駆者としてその名を馳せています。

今後の展望

タリーズコーヒーは今後もさらなる成長を目指し、新たな出店方針を打ち出していく計画です。病院内や異業種との共同店舗など、斬新なコンセプトの店舗展開を掲げ、顧客満足度を高めています。これからも、日本国内での人気を維持しつつ、さらなる発展に向けて取り組んでいくでしょう。タリーズコーヒーの名称は、今後も多くのコーヒー好きに愛されることでしょう。

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