タレス・グループ

タレス（Thales S.A.）の概要

タレスはフランスに本社を置く大手電機企業で、航空宇宙、防衛、交通システム、セキュリティといった幅広い分野で情報システムや各種サービスを展開しています。フランスのラ・デファンスに本社を構え、ユーロネクスト・パリに上場していることでも知られています。会社名が「タレス」に変更されたのは、2000年にイギリスの防衛機器メーカーであるRacal Electronics plcを約13億ポンドで買収した際で、この際にそれまでの「トムソンCSF」と呼ばれる名前から現在の名前に改名されたのです。タレスは現在、フランス政府を筆頭に60%以上が公的資本により支えられ、世界50ヶ国以上で事業を展開していることから、国際的な影響力を持つ企業と見なされています。

営業活動と主要契約

タレスはイギリスやアメリカ、オーストラリア、日本など、さまざまな国で軍事および民間の共同開発プロジェクトに参加しています。特にフランス軍に対しては、様々な防衛契約を結んでおり、その中には将来型空母建造計画の提案も含まれています。このプロジェクトでタレス社の設計案が選ばれたことは、同社の技術力及び信頼性を証明するものと言えるでしょう。

また、タレスUK社はイギリス陸軍の無人航空機（UAV）プロジェクトでも重要な役割を果たし、様々な国際的な契約を結びながら戦略的な位置を確保しています。タレスは、ボフォース社、レイセオン社系列企業、ロッキード・マーティンといった他の大手企業と連携し、NATOの集団的防衛体制の構築にも寄与しています。

歴史沿革

タレスの前身である「Thomson-CSF」は1893年に設立された「Compagnie Française Thomson-Houston」に由来し、1960年代にいくつかの企業と合併を経て現在の形に至りました。1990年代後半には民営化が行われ、特にRacal社の買収によって現在の社名に至ったのです。この過程で、タレスはさまざまな企業とのジョイント・ベンチャーを設立し、特にレイセオン社との合弁会社「ThalesRaytheonSystems」などが注目されています。

さらに、タレスは2006年にオーストラリアの防衛関連企業を買収し、宇宙事業や鉄道信号部門の強化も進めています。2021年には、日本の日立製作所に対して鉄道信号部門を売却することを発表し、企業の効率化とビジネス戦略の見直しを図る姿勢を見せました。

日本における事業展開

日本では、タレスジャパン株式会社が1973年に設立され、以降防衛、サイバーセキュリティ、民間航空、交通システムなど多岐にわたる事業を展開しています。特に陸上自衛隊との共同プロジェクトや、日本航空向けの機内エンターテイメントシステムなど、地域密着型の展開が見られます。2022年には、陸上自衛隊の軽装甲機動車に関しての協力も進められました。

まとめ

タレスは、航空宇宙、防衛という重要な分野で国際的に活動を展開する企業であり、数々の合併や買収を通じてその影響力を強めてきました。特に国防産業においては高いシェアを誇り、今後もその地位を維持・強化していくための取り組みを続けています。

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