ターキージャンキー

ターキージャンキー

『ターキージャンキー』は、にわのまことによって描かれた日本のプロレス漫画であり、『週刊コミックバンチ』（新潮社）にて2001年から2002年にかけて連載されました。全3巻の単行本として刊行されています。

概要

本作は、連載当時タブー視されていたプロレスのブック（試合展開の台本）やアングル（ストーリー）をテーマに、ストロングスタイルのプロレス団体「プロレスリングAsia」を舞台としています。主人公である滝念五郎は、エンターテイメントとしてのプロレスにこだわり、ショー的な試合を展開しますが、その姿勢はショープロレスを嫌うアトラス冴木との対立を生み出します。アトラスは滝を潰そうと、理不尽な試合やブック、時にはシュート（真剣勝負）を仕掛け、物語は予測不能な展開を見せていきます。

登場人物

滝念五郎（たき ねんごろう）
プロレスリングAsia所属のプロレスラー。日々の稼ぎを風俗に費やし、常に煙管を手放さないという、どこかアウトローな雰囲気を漂わせています。しかし、その実力は折り紙付きで、エンターテイメントとしてのプロレスを追求するために、あえてピエロを演じ、観客を沸かせます。素顔の他に、「ターキー・アミューズメントパーク」というリングネームのマスクマンとしても活躍。七面鳥を模したマスクと翼をイメージしたガウンを身に着け、必殺技は垂直落下式ダイビング・ヘッドバット「ターキー・スパイク」。神戸出身であり、阪神・淡路大震災で幼い妹を亡くした過去を持ちます。

小山田伸（おやまだ しん）
柔道の金メダリストであり、将来を嘱望される日本柔道界のエースでしたが、「アマチュアに敵はいない」という理由からプロレスラーに転向します。当初はショー要素を排除した試合を目指していましたが、滝とのスパーリングに敗れたことで考えを改め、弟分としてマスクマン・チーム「クラブ・ターキー」を結成するに至ります。実はプロレスが好きで、そのキャリアのために柔道を始めたという意外な一面も持っています。マスクマンとしてのリングネームは「ターキー2号」。

アル
滝のペットであるアルマジロ。滝の指示に従い、試合におけるギミック（爆薬や花火などの演出）のリモコン操作や、携帯電話を使った情報収集など、その能力は非常に高く、滝のプロレスをサポートする重要な存在です。

川村安奈（かわむら あんな）
Asiaの営業部に所属するヒロイン。美貌とスタイル、明晰な頭脳を兼ね備えた才女です。

アトラス冴木（ - さえき）
Asiaの社長であり、かつてはカリスマ的な人気を誇ったプロレスラー。滝の起こす騒動に頭を悩ませていますが、自身も不倫現場をクラブ・ターキーに襲撃されるなど、スキャンダルに見舞われます。阪神・淡路大震災当日にはAsiaが神戸で興行を予定しており、この出来事が滝がレスラーになるきっかけにもなっています。

山岡鉄心（やまおか てっしん）
Asiaの若手育成を担当する責任者。その厳しさから「鬼軍曹」の異名を持ちます。滝の秘めたる才能を高く評価しています。

木田イサオ（きだ - ）
滝の師匠であり、その卓越した技術から「マットの職人」と呼ばれています。打撃、関節技、投げ技、全てにおいて高いレベルを誇るオールラウンダーであり、得意技はグラウンドでの複合関節技「キダ・クラッチ」。その正体は、かつてアメリカのマット界を震撼させた伝説のヒール、“タロー・キダ”であり、有刺鉄線を巻き付けた竹刀「TSURUGI」を凶器として使用していました。

財前光（ざいぜん ひかる）
滝の同期生であり、アトラス冴木に心酔するアメリカ帰りのリアルファイト派です。

山中金剛力（やまなか こんごうりき）
長年にわたりアトラス冴木の右腕としてAsiaを支えてきたベテランレスラー。ミスターXとして財前とタッグを組み、必殺技は剛力を活かしたラリアート「コンゴウ・ハンマー」。

ラナ
滝が贔屓にしているイメージクラブの風俗嬢。滝の熱狂的なファンであり、彼のピエロとしての姿に隠された悲しみを見抜いています。

関連項目

* 新日本プロレス - コラボレーションによるグッズが制作されていました。

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