有刺鉄線

有刺鉄線

有刺鉄線（ゆうしてっせん）は、多数の鋭い突起がついた鉄線で、一般的には境界を設けたり物を保護するために用いられます。特に鉄条網の材料としてよく知られ、「バラ線」という俗称でも呼ばれています。

構造と用途

有刺鉄線は、主に頑丈な金属線を基本にしており、斜めに切断された短い鉄線を巻きつけて作ります。この時、鋭利な部分を外向きに配置することによって、侵入者を防ぐ役割を果たします。一定の間隔でこの鋭利な鉄線を巻くことで、効果的な防御を実現しています。

この鉄線は、立ち入り禁止区域や個人のプライベートな敷地などに使用されることが多く、無断で人や動物が入ってくるのを防ぎます。さらに、電気を通すことで感電させる電気柵としても利用されており、これによりその近くに寄れないようにしています。

この鉄線は、茨のトゲを模しているため「バラ線」とも呼ばれますが、これは鉄線の一種であり、電線の束を指すものではありません。他にも「鬼針」や「犬釘」、「Barbed Wire」といった名称で知られることもあります。取り扱いの際には、手を守るために革製の手袋などの保護具を着用することが推奨されており、布製の軍手では突起が通ってしまうため適さないとされています。

特に第一次世界大戦中には資材が不足していたため、鋭い刃のような金属片を鉄線に取り付ける方式や、帯鋼から切り抜いて釘を組み合わせた形状のものが制作されました。このように、有刺鉄線は安価で効果的な防護手段として広範囲に利用されています。

歴史

有刺鉄線の起源は1865年にフランスで発明されたことに始まり、これを改良したものが1874年にアメリカの発明家ジョセフ・グリッデンによって完成されました。このため、アメリカにおいては特に牧場や農場の境界を示す柵として使用され、開拓時代の象徴的存在となりました。

また、テキサス州のマクレーンには、有刺鉄線に関する博物館「デビルス・ロープ・ミュージアム」が所在しており、地域の歴史や文化の一部として重要な役割を果たしています。これにより、有刺鉄線は農業や牧畜にとって不可欠な材料と捉えられつつ、高い防御性能を有する防護手段としての地位も確立されています。

関連項目

有刺鉄線に関する関連項目として、棘、鉄条網、金網、電気柵、ハードコア・レスリング、害獣、拒馬、バリケードなどがあります。これらは、有刺鉄線の用途やその効果、また関連するフィールドにおける重要アイテムとして意義を持っています。

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