ターナー・フィールド

ターナー・フィールド：アトランタの記憶を刻む球場

ターナー・フィールドは、かつてアメリカ合衆国ジョージア州アトランタに存在した野球場です。1997年から2016年まで、MLBのアトランタ・ブレーブスの本拠地として使用されました。この球場は、1996年のアトランタオリンピックのメイン会場であったセンテニアル・オリンピックスタジアムを野球用に改築したもので、そのユニークな経緯を持っています。

ターナー・フィールドの誕生

ブレーブスは1966年から1996年まで、同じアトランタ市内にあるアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアムを使用していました。しかし、施設の老朽化が著しかったため、1996年のアトランタオリンピックのメイン会場として使用された陸上競技場を野球場に作り変え、1997年のシーズン開幕から新たな本拠地としました。

球場名は、ファンから「ハンク・アーロン・スタジアム」にしようという要望がありましたが、最終的にはアメリカのメディア王として知られ、ターナー・ブロードキャスティング・システム（TBS）の創業者であり、ブレーブスを所有していたテッド・ターナーの名を冠したものとなりました。

最新鋭の設備

ターナー・フィールドには、当時世界最大級の屋外型デジタルハイビジョン映像スクリーンが設置されていました。これは日本の三菱電機が製造したオーロラビジョンで、以前はギネスブックにも世界最大と認定されていました。2005年3月23日にはオープニング・セレモニーが行われ、メジャーリーグ最多本塁打記録を持つ元ブレーブスのハンク・アーロンによる点灯式が行われました。

フィールドの特徴

ターナー・フィールドは、右中間が広くなっているため、中堅手や右翼手には守備範囲の広さや強肩が求められました。また、シーズン序盤は風が吹きピッチャーに有利でしたが、夏場になるとホームランが出やすくなるという、季節ごとに特徴が変わる球場でした。

トマホーク・チョップ

ターナー・フィールドの名物といえば、スコアボードの上部に設置されたトマホークです。ブレーブスが得点のチャンスを迎えるとトマホークが動き出し、ファンはトマホークを模した応援グッズを音楽に合わせて振り回し、球場全体が一体となって応援する、独特の雰囲気を生み出していました。

ターナー・フィールドの終焉とその後

2016年、ブレーブスは本拠地をアトランタ郊外のサントラスト・パークに移転しました。ターナー・フィールドはジョージア州立大学に譲渡され、25,000人収容のフットボール球技場に改装され、「ジョージア・ステート・スタジアム」に改称されました。その後、2020年にはセンターパーク・スタジアムと改名されています。

ターナー・フィールドは、わずか19年の歴史でしたが、数々のドラマを生み出し、多くのファンに愛された球場でした。閉場後もその一部はジョージア・ステート・スタジアムとして残され、新たな歴史を刻んでいます。また、ターナー・フィールドのホームプレートはサントラスト・パークに移設され、その記憶は受け継がれています。

主要な出来事

1997年4月4日：公式戦初試合
1998年8月18日：グレッグ・マダックスが通算200勝を達成
2000年7月7日：2000年のMLBオールスターゲーム開催
2004年5月18日：ランディ・ジョンソンが史上最年長で完全試合を達成
2007年5月24日：ジョン・スモルツが通算200勝・150セーブを達成
2010年4月17日：ウバルド・ヒメネスがノーヒットノーラン達成
* 2016年10月2日：タイガースとのシーズン最終戦をもって閉場

現在のジョージア・ステート・スタジアム

ジョージア・ステート・スタジアムは、NCAAのジョージア・ステート・パンサーズが本拠地として使用しています。ターナー・フィールドの座席は概ね残されたうえ、フィールド部分に新たに座席を設置したため、グラウンドは狭くなっています。

もう一度検索