ダイナ・ショア

ダイナ・ショア（Dinah Shore、1916年2月29日 - 1994年2月24日）は、アメリカ合衆国出身の著名な歌手、女優です。彼女は、その多才な才能と魅力的な人柄で、エンターテイメント界に大きな足跡を残しました。

生い立ち

ダイナ・ショアは、本名をフランシス・ローズ・ショアといい、テネシー州ウィンチェスターで生まれました。父ソロモン・ショアと母アナ（旧姓スタイン）の次女として誕生しました。2歳の時にポリオを発症し、一時は寝たきりの状態になりましたが、両親の献身的な看病により回復しました。しかし、後遺症として足に障害が残りました。幼少の頃から歌うことが好きで、母親はコントラルトのオペラ歌手を目指していたこともあり、彼女を励ましました。また、父親が経営する店では、客の前で即興で歌を披露し、その才能の片鱗を見せていました。一家はその後、テネシー州マクミンビル、そしてナッシュビルへと転居し、ダイナはそこで小学校を卒業しました。足の障害から内向的な面もありましたが、高校ではチアリーダーを務めるなど、活発な一面も見せていました。

14歳の時には、ナイトクラブでトーチ・シンガーとしてデビュー。失恋や片思いの歌を歌い、観客を魅了しました。当時の給料は10ドルでしたが、これは現在の貨幣価値に換算すると141ドルに相当します。その後、彼女はプロの道へ進むことを一旦保留しました。16歳の時、母親が心筋梗塞で急逝したことをきっかけに、学業に専念することを決意し、ヴァンダービルト大学に進学しました。大学では、ソロリティ活動など、多くのイベントにも積極的に参加しました。1938年には社会学の学士号を取得し、卒業しました。

プロの道へ

大学在学中には、『グランド・オール・オープリー』に出演し、ナッシュビルのラジオ局WSM (AM)でデビューを果たしました。大学卒業後、ダイナは再び歌手の道を追求することを決意し、ニューヨークへ渡ります。オーケストラのオーディションに挑む中で、彼女はポピュラーソング『ダイナ』を歌うことが多く、それがきっかけで、ディスクジョッキーのマーティン・ブロックから「ダイナ・ガール」と呼ばれるようになり、これが芸名「ダイナ・ショア」の由来となりました。その後、ニューヨークのラジオ局WNEWに採用され、フランク・シナトラの歌をカバーしました。ザビア・クガート・オーケストラとの演奏やレコーディングを経て、1940年にはRCAビクター・レコードと契約し、本格的なプロの歌手としてのキャリアをスタートさせました。

映画、テレビでの活躍

ダイナ・ショアは、歌手としての活躍だけでなく、女優としても数々の映画に出演しました。代表作には『Thank Your Lucky Stars』（1943年）、『Follow the Boys』（1944年）、『ダニー・ケイの新兵さん』（1944年）、『ユーコンの美女』（1944年）、『メイク・マイン・ミュージック』（1946年）、『雲流るるはてに』（1946年）、『ファン・アンド・ファンシーフリー』（1947年）、『Aaron Slick from Punkin Crick』（1952年）などがあります。また、晩年には『オー!ゴッド』（1977年）にカメオ出演もしています。1950年代から1960年代にかけては、『The Dinah Shore Show』など自身の名前を冠したテレビ番組で大人気を博しました。

その他の活動

ダイナ・ショアは、ゼネラルモーターズのシボレーのCMソング「See the USA in Your Chevrolet」を歌ったことでも知られています。また、女子プロゴルフの発展にも大きく貢献しました。彼女の名を冠した「コルゲート・ダイナ・ショア・ウィナーズ・サークル」（現在のシェブロン選手権）は、女子プロゴルフのメジャー大会の一つとして知られており、優勝者には「ダイナ・ショア・トロフィー」が贈られます。ゴルフ界への貢献が評価され、1994年には世界ゴルフ殿堂入りを果たしました。

日本公演

ダイナ・ショアは、1984年に日本でも公演を行いました。10月3日、4日には六本木カサブランカ、5日には中野サンプラザで、その素晴らしい歌声を日本のファンに届けました。

ダイナ・ショアは、その歌声、演技力、そして人柄で多くの人々に愛され、エンターテイメント界に大きな影響を与えました。彼女の多才な才能と、常に前向きな姿勢は、今もなお多くの人々に感銘を与えています。

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