ダイハツ・テリオスキッド

ダイハツ・テリオスキッド：軽SUVのパイオニア

ダイハツ・テリオスキッドは、1998年から2012年までダイハツ工業が製造販売していた軽自動車です。小型SUVであるテリオスをベースに、ボディサイズを軽自動車規格に適合させ、660ccエンジンを搭載することで誕生しました。

テリオスキッドの特徴：

テリオスキッド最大の特徴は、軽自動車でありながら、5ドアボディとフルタイム4WDシステムを備えていた点です。当時、軽自動車の4WDといえばパートタイム式が一般的でしたが、テリオスキッドはセンターデフ付きフルタイム4WDを採用。悪路走破性と安定性を両立した、軽自動車としては異例の高い走行性能を実現しました。

エンジンと性能

エンジンは、ターボチャージャー付きの660cc EF型エンジンを搭載。当初はインタークーラー付きと非インタークーラー付きの2種類がありましたが、2006年のマイナーチェンジでインタークーラー付きに統一されました。

安全性

安全性にも配慮がなされており、2002年の軽自動車アセスメントでは、助手席が6つ星、運転席が5つ星という高い評価を獲得しています。また、ABSや運転席エアバッグなどの安全装備も充実していました。

グレードバリエーション

発売当初はいくつかのグレードが設定されていましたが、モデルライフサイクルの中で何度かマイナーチェンジを行い、グレード体系は変更されました。最終的には、「カスタムX」、「カスタムL」、「L」の3グレードに集約されました。「カスタム」系はスポーティなエアロパーツやアルミホイールを装備し、上位グレードである「カスタムX」にはキーフリーシステムやABSも標準装備されていました。

デザインと装備

デザインは、コンパクトながらも力強いSUVらしいスタイルで、当時としては斬新なデザインでした。装備面では、電動格納式ドアミラーやCDプレーヤー、パワーウィンドウなど、当時の軽自動車としては充実した装備が提供されていました。

モデルライフと歴史：

テリオスキッドは、1998年の発売以来、幾度かのマイナーチェンジを経て2012年に生産が終了しました。その間、様々な特別仕様車も設定され、ユーザーのニーズに対応してきました。主な変更点としては、エンジンの仕様変更、グレード体系の整理、安全装備の充実などが挙げられます。

主要なモデルチェンジと改良

1998年： 発売。当初は4WDのみの設定。
2000年： 2WD車を追加。インタークーラーターボエンジン搭載グレードを追加。
2002年： 排出ガス規制に対応。電動パワーステアリングを採用。
2003年： グレード体系の見直し。
2005年： 一部改良。特別仕様車「テリオスキッド×キスマーク」を発売。
2006年： マイナーチェンジ。エンジンをインタークーラーターボに統一。
2008年： 平成17年排出ガス規制適合。
2010年： JC08モードに対応。
* 2012年： 生産終了。

テリオスキッドの名前の由来

車名は、「テリオス」（古代ギリシャ語で「願いを叶える」という意味）と「キッド」（英語で「若者」「子供」という意味）を組み合わせたものです。

まとめ

ダイハツ・テリオスキッドは、軽自動車でありながら、高い走行性能と安全性、そして実用性を兼ね備えたモデルでした。軽SUVの先駆けとして、多くのユーザーに支持され、その存在感は現在でも根強いものがあります。現在では後継モデルはありませんが、そのコンセプトは後のダイハツの軽クロスオーバーSUVに受け継がれています。

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