ダイヤラー

ダイヤラーとは

ダイヤラーとは、コンピューターが電話回線を利用してダイヤルアップ接続を行う際に使用するソフトウェアです。主に、インターネット接続やパソコン通信を行うために利用されていました。

歴史

1980年代、パソコン通信の黎明期には、ダイヤルアップ接続が一般的な通信手段でした。当初は、パソコンと電話回線の間に据え置き型のモデムを接続するのが一般的でしたが、1995年以降のインターネット普及に伴い、パソコンにダイヤルアップモデム（アナログモデム）が内蔵されるようになりました。これに伴い、ダイヤラーの機能もOSに標準搭載されるようになり、例えば、Windows 95にはダイヤラー機能が実装されています。

専用ダイヤラー

一部のインターネットサービスプロバイダ（ISP）は、ユーザー設定を簡略化するために専用のダイヤラーを提供していました。例えば、AOLは世界中にダイヤルアップ接続用のアクセスポイントを持っており、国ごとに異なる設定を簡略化するために「AOL Dialer」というソフトウェアを提供していました。

不正利用

ダイヤラーがWindowsの標準機能として存在した時期には、その機能を悪用した不正プログラムが社会問題化しました。アダルトコンテンツ閲覧などを口実にウェブサイト訪問者を誘引し、意図せず国際電話に接続させ、後日高額な通信料金を請求するという手口が横行しました。しかし、近年では、電話回線に直接接続するパソコンがほとんど存在しないため、仮にこのような不正プログラムがインストールされても実害は生じにくくなっています。

ダイヤルアップ接続の衰退

ブロードバンド接続（光回線、ADSLなど）の普及により、ダイヤルアップ接続は過去の技術となりつつあります。そのため、ダイヤラーを利用する機会も大幅に減少しています。しかし、ダイヤルアップ接続が利用されていた時代には、ダイヤラーはインターネットやパソコン通信に不可欠なソフトウェアでした。

関連技術

ダイヤラーは、モデム、電話回線、パソコン通信、インターネットなどの技術と密接に関連しています。また、不正利用の歴史から、マルウェア、コンピュータウイルス、ワーム、スパイウェア、アドウェア、バックドア、クラッカーなどのセキュリティ関連の用語とも関連付けられます。

まとめ

ダイヤラーは、かつてインターネット接続やパソコン通信に不可欠なソフトウェアでしたが、技術の進歩とともにその役割を終えつつあります。ダイヤルアップ接続の歴史を語る上で欠かせない存在であり、インターネット黎明期を代表する技術の一つと言えるでしょう。

関連項目

マルウェア
コンピュータウイルス
ワーム
スパイウェア
アドウェア
バックドア
クラッカー ([[コンピュータセキュリティ)]]
ソフトウェア

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